被爆者 核兵器禁止条約参加求め署名呼びかけ NY国連本部

被爆者 核兵器禁止条約参加求め署名呼びかけ NY国連本部
NPT=核拡散防止条約の会合が開かれているニューヨークの国連本部を広島や長崎の被爆者が訪れ、すべての国が核兵器禁止条約に参加することを求める署名活動を推進するよう各国のNGO関係者に協力を呼びかけました。
NPTの会合が開かれている国連本部では3日、広島や長崎の被爆者と各国のNGO関係者およそ50人が集まりました。

この中で、5歳のときに長崎で被爆した木戸季市さんは「爆心地に近づくにつれて、道路の上に丸焦げの死体がごろごろと転がっていた。私が見た世界は誰も想像できないものだった。原爆、核兵器は人類を滅ぼす兵器です」と、当時の体験を語りました。

また、広島の被爆者で母親のおなかの中で被爆した濱住治郎さんは「被爆者は今も原爆の被害に苦しめられ、核兵器の恐怖の中で暮らすことを余儀なくされている。核兵器が無くなるまで被爆者は安心して死ぬことはできない」と訴えました。

そして、すべての国が核兵器禁止条約に参加することを求めて、すでに国内を中心に941万人余りが署名したとして、各国で署名を推進するようNGO関係者に協力を呼びかけました。

ニューヨークを拠点に署名活動を行っている女性は「日本に住んでいるときに被爆者の話を聞いて人生観が変わりました。アメリカ国内で、協力する人や団体を増やしていきたい」と話していました。

米核問題担当代表者とも会談

ニューヨークを訪れている被爆者たちは3日、アメリカ国務省で核問題を担当する代表者とおよそ40分間、会談しました。

会談を終えた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会によりますと、アメリカ側は「被爆者の体験を聞くのは大切であり、核兵器を無くしていきたい」と述べたということです。

その一方で「今は核兵器を無くす状態にはなく、戦争を起こさない抑止力として核兵器は必要だ。ロシアや中国などが脅威をもたらしている中、アメリカとしては被爆者が求める無条件の核廃絶は受け入れられない。日本政府もアメリカと同じ考えだ」と述べ、現状では核廃絶は現実的ではないという考えを示したということです。

会談に出席した日本被団協の濱住治郎事務局次長は「アメリカは核抑止力という考え方に固執している。その考えを変えてもらうため、私たち被爆者が、日本政府も含めた各国に原爆の非人道性をもっと強く訴えていく必要がある」と話していました。