全国の空き家 846万戸 全体の13%余占め過去最多

全国の空き家 846万戸 全体の13%余占め過去最多
住宅の数や状況などをまとめた総務省の「住宅・土地統計調査」が公表され、全国の空き家は過去最多の846万戸に上り、住宅全体の13.6%を占めました。
住宅・土地統計調査は、総務省が5年に1回行っていて26日、去年10月1日現在の調査の結果を公表しました。

それによりますと、日常的に人が住んでいない空き家は全国で846万戸に上り、前回より26万戸増え、これまでで最も多くなりました。また、住宅全体に占める割合も13.6%と、これまでで最も高くなりました。

都道府県別にみますと、最も多い東京都が80万9000戸、次いで大阪府が70万9000戸、神奈川県が48万3000戸などとなっています。

また、空き家の割合では山梨県が21.3%と最も高く、次いで和歌山県が20.3%、長野県が19.5%などとなっています。

総務省は「東京や神奈川などの都市部で、人口の流入によって賃貸住宅の空き家が減ったため、空き家全体の増え方はこれまでより緩やかになった。ただ、長期間不在になっていたり今後取り壊されることになっていたりする住宅は増えている。こうした空き家が放置されれば、治安や景観に悪影響を与えるおそれがある」と話しています。

空き家対策の現状と課題

空き家の増加を受けて「空き家対策特別措置法」が4年前の平成27年から全面施行されました。
この法律により、自治体は、そのまま放置しておくと倒壊する可能性があるなど特に危険性が高い空き家を「特定空き家」に指定できるようになりました。

国土交通省によりますと、去年10月1日時点で、全国の493自治体の少なくとも1万3084件が、特定空き家に指定されているということです。
指定を受けた空き家は、自治体が所有者に対し修繕や撤去を命令できるほか、命令に従わなかったり所有者がわからなかったりする場合は、強制的に撤去する「代執行」ができるようになりました。

ただ、実際に代執行したのは全国の89の自治体の118件にとどまっていて、大量の空き家を減らす抜本的な対策にはなっていないのが現状です。

また、総務省の調査では、撤去にかかった費用を全額回収できたケースは少なく、自治体が負担せざるをえないといった課題も出ています。

専門家「原因を断つ対策を」

空き家の数が過去最多となったことについて、不動産コンサルタントの長嶋修さんは「放置される空き家が増えれば、犯罪や火災などをまねくリスクがあるほか、周辺の資産価値を下げることにつながるため、早急な対策が必要だ」と警鐘を鳴らしています。

そのうえで「特定空き家を指定して撤去を促進するといった現在の対策は、あくまでも発生した空き家に対応するという対処療法だ。そもそも、空き家が増えるのは、人口が減少しているのに、新たな住宅が次々に建つからで、海外の事例にならって住宅の総量をコントロールするなど原因を断つ対策に取り組むべきだ」と指摘しました。