体重258グラムで生まれた男の赤ちゃん 無事退院へ 長野

体重258グラムで生まれた男の赤ちゃん 無事退院へ 長野
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体重258グラムで生まれた男の赤ちゃんが無事に成長して、20日に退院することになり、入院先の長野県立こども病院が19日、会見を開いて、赤ちゃんの健康状態などを説明しました。病院によりますと元気に退院する男の子としては、世界で最も小さく生まれた赤ちゃんだということです。
これは19日、長野県安曇野市にある県立こども病院が会見で明らかにしました。

体重258グラムという小さな体で生まれたのは軽井沢町の関野竜佑ちゃんです。
病院によりますと竜佑ちゃんは母親が妊娠中に血圧が上がり、このまま体内にいると成長に問題が生じる可能性があったため、去年10月、妊娠24週の時に帝王切開で生まれたということです。

その後、新生児集中治療室で温度や湿度を調整できる保育器に入れて栄養を管理するなどして成長を促したところ、現在は体重3374グラム、身長43センチと元気に成長し、大きな病気もないということです。

竜佑ちゃんは20日、退院する予定で、病院によりますと元気に退院する男の子としては、世界で最も小さく生まれた赤ちゃんだということです。

会見に同席した母親の関野俊子さんは「生まれた当初は触ったら壊れそうなぐらい小さく心配で不安ばかりでしたが、そのあと体重も少しずつ増え成長を感じました。一緒に帰ってお風呂に入ったり寝たりして普通の生活をするのが楽しみです」と話していましたまた。

長野県立こども病院の廣間武彦新生児科部長は「血管が針より細い状態で点滴をとろうとしてもなかなかとれない状況もありましたが、年々進歩する医療の成果もあり、ここまで成長することができました」と話していました。

低出生体重児の現状は

国の人口動態調査によりますと、生まれた時の体重が2500グラム未満の「低出生体重児」の割合は2年前は9.4%で、年間で9万人近くが生まれています。

中でも、体重が1000グラム未満の赤ちゃんは「超低出生体重児」と呼ばれ、生まれた後も心臓が十分に機能しないなどのリスクがありますが、日本国内では医療技術の進歩などで救命率はおよそ90%と言われています。

しかし、体重300グラム未満は特に難しいとされていて、救命率は低くなるとされています。

世界で小さく生まれた赤ちゃんの情報を集めた、アメリカのアイオワ大学のデータベースによりますと、体重300グラム未満で生まれて元気に退院した赤ちゃんはこれまで世界で25人報告され、このうち9人は日本の事例で、アメリカとともに最も多くなっています。

その背景として、日本では赤ちゃんを治療する態勢を整備してきたことがあると言われていて、全国の各地域に妊婦や新生児に高度な医療を提供する拠点として総合周産期母子医療センターなどが設置されています。

ことし2月に、268グラムの男の子を元気に退院させた慶応大学病院小児科の有光威志助教は「日本は世界の中でも赤ちゃんや妊婦の医療に力を入れている国と言える。施設の充実とともに医師が高い技術をもって治療や管理を行えていることも、一つの要因だと思う」と話しています。

各科の医師看護師が連携 24時間態勢でケア

竜佑ちゃんは、妊娠24週の時に、体重258グラム、身長22センチで生まれ、県立こども病院の新生児集中治療室で治療を受けました。

県立こども病院は、長野県内で唯一、病気や早産などで重症の赤ちゃんの治療などを行う「総合周産期母子医療センター」があり、妊娠22週から26週ほどのいわゆる「超早産」で生まれた赤ちゃんを治療する設備が整っています。

病院では竜佑ちゃんの成長を促すため、24時間態勢で治療と看護にあたり、さまざまな科の医師や看護師が連携してケアにあたったということです。

まず、自力での呼吸が困難な竜佑ちゃんに人工呼吸器をつけるなどして、およそ230日間にわたって呼吸をサポートしました。

また、湿度と温度を徹底して管理し、生まれた直後は湿度90%、温度を37度に保った保育器に入れて体を温めながら成長を促したということです。

さらに、栄養の補給は点滴で続けたということです。

病院によりますと、竜佑ちゃんの血管はこうした赤ちゃんのための点滴の針よりも細く、刺すのには非常に苦労したということです。

また、小さな消化器官が便で破れてしまわないよう薬剤で便の排出を促すなど、体の管理を行ってきたということです。

こうした治療をへて、竜佑ちゃんは生まれて2か月以上がたった去年12月末には、体重が1000グラムに、そして、ことし2月には2000グラムに達し、現在は3374グラムまで成長して大きな病気もないということです。

治療にあたった長野県立こども病院の廣間武彦新生児科部長は「生まれてから数日間の管理が重要なので、高い医療技術と看護ケアで病院の総合力を出して治療を行いました。竜佑ちゃん自身もとても強い子で順調に元気に育ちました。これからも経過を見守っていきたいです」と話しています。

父親「ゆっくり成長見守りたい」

父親の関野康平さんによりますと、竜佑ちゃんの名前には、力強く成長してほしいとの願いを込めて「竜」の字を入れたということです。

康平さんは「最初に見た瞬間はとても小さくて触るのが怖くて、最初の2週間ぐらいは、もしかしたらだめかなと覚悟していました。日に日に成長して変わっていく姿を見ることができ、とてもうれしかったです。これからも普通のことが普通にできるようゆっくり見守りたいです」と話していました。