イスラエル総選挙 投票始まる 右派政党と中道会派が激しく争う

イスラエル総選挙 投票始まる 右派政党と中道会派が激しく争う
中東イスラエルの総選挙は日本時間の9日午後、投票が始まり、強硬派として知られるネタニヤフ首相の右派政党と、パレスチナとの和平交渉の再開を訴える中道会派が激しく争う展開となっていて、選挙の結果は和平交渉の行方や中東情勢を左右することになります。
イスラエルの総選挙は現地時間の9日朝、日本時間の9日午後1時から投票が始まりました。

選挙戦では強硬派として知られるネタニヤフ首相が党首を務める右派政党「リクード」と、パレスチナとの和平交渉の再開を訴える中道会派「青と白」が第1党を激しく争う展開となりました。

このうち、ネタニヤフ首相はアメリカのトランプ大統領がエルサレムに大使館を移転したことや、占領地ゴラン高原をイスラエルの領土と認めたことを外交成果としてアピールし、右派政権の継続を訴えています。

これに対し、中道会派「青と白」を率いるイスラエル軍の元参謀総長ガンツ氏はネタニヤフ首相が汚職事件で捜査されていることを追及し、長期政権に対する批判票の受け皿となっています。

またネタニヤフ政権のもとで完全に決裂したパレスチナとの和平交渉について、ガンツ氏は再開に前向きな姿勢を示していて、総選挙の結果、ネタニヤフ首相の政党が敗北し10年ぶりとなる政権交代が起きれば、和平交渉の行方や中東情勢を大きく左右することになります。

投票は日本時間の10日午前4時に締め切られ、10日昼ごろにも大勢が判明する見通しです。

ネタニヤフ首相 ガンツ氏も投票

ネタニヤフ首相は、サラ夫人とともにエルサレム市内の投票所で記者団に対し「投票は民主主義の本質だ。しかし、投票では、よい選択をする必要がある」と述べ、1票を投じていました。

一方のガンツ氏は、地元のイスラエル中部の町にある投票所で投票し、「きょうは希望の日だ。そして私たちは団結できる。民主主義を尊重する新たなやり方で私たちは政権をとる」と政権交代への意気込みを語りました。

エルサレム郊外の投票所では

エルサレム郊外の高校に設けられた投票所には午前中から多くの人が投票に訪れました。

有権者は各政党や会派の名前が印刷された投票用紙の中から、自分の支持するものを1枚選んで封筒に収め、投票箱に入れていきました。

ネタニヤフ首相率いる右派政党「リクード」に投票したという41歳の女性は「安全保障が最優先だ。ネタニヤフ氏はすべての面ですぐれている」と話していました。

またガンツ氏が代表を務める中道会派「青と白」に票を投じたという20歳の男性は「ガンツ氏は誠実な男だ。ネタニヤフ首相は腐敗しているので退陣すべきだ」と話していました。

また投票所の外では各陣営の運動員がチラシを配るなどして投票直前まで票の取り込みを図っていました。

ネタニヤフ首相 SNSで投票呼びかけ

ネタニヤフ首相は投票日当日の9日朝、SNSを通じて有権者に向けてビデオメッセージを送り、党首を務める右派政党リクードへの投票を訴えました。

ネタニヤフ首相のSNSのアカウントから届いたメッセージを開くと、ネタニヤフ首相がビデオメッセージで与党リクードに投票するかを尋ねてきます。

そのうえで「はい」、「いいえ」、「考え中」の3つの選択肢から選ぶよう促されます。

このうち「はい」を選択すると、ネタニヤフ首相が次のビデオメッセージで「このままではガンツ氏がアラブ系政党と連立を組んで左派政権が誕生し、国と子どもたちの安全が脅かされてしまう」と危機感を訴え、周囲の人々にリクードへの投票を呼びかけるよう求める内容となっています。

「考え中」を選択すると、ネタニヤフ首相が別のビデオメッセージで「それはよかった。あなたの抱えている問題をぜひ聞かせてほしい」と述べて、経済や安全保障などの分野ごとにみずからの実績をアピールしていて、リクードへの投票を説得する内容となっています。

ネタニヤフ首相は前回4年前の総選挙でも、投票日当日にSNSを駆使して、とりわけ右派の支持層に危機感を訴えて投票を呼びかけるビデオメッセージを送り、与党が勝利する要因の1つとなりました。