新元号 出典 は「万葉集」 書店に特設コーナーも

新元号 出典 は「万葉集」 書店に特設コーナーも
菅官房長官は、新元号の出典は現存する日本最古の歌集「万葉集」と発表しました。東京都内の書店では、早速新元号に関連して「万葉集」の書籍のコーナーを作って販売する店も出ています。
「万葉集」は7世紀から8世紀後半ごろにかけて編さんされたとみられる、現存する日本最古の歌集です。

合わせて20巻からなり、天皇や貴族、防人や農民まで各地の幅広い立場の人たちが詠んだ、およそ4500首がおさめられています。

当時はまだ、ひらがなやカタカナがなかったため、日本語の音を漢字で表記する「万葉仮名」が用いられています。

日本文学史上、極めて高い価値がある和歌集として長く尊重されてきました。

引用されている序文

新しい元号の「令和(れいわ)」の漢字2文字は万葉集の第5巻の中に歌われている梅の花を歌った32首の序文に使われています。

引用されている序文は「初春の令月(れいげつ)にして気淑く(きよ)風和ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披き(ひら)、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」です。この中に、「令」と「和」の2文字が使われています。

万葉集の研究者「感激だ」

万葉集を研究している奈良大学の上野誠教授は「元号は中国が起源で、これまでは中国の儒教に関わる書物からほとんど取られていたが、今回は日本の歌集から取られた。元号が新しい制度に変わったと思った。万葉集は日本の情感の大切さを伝えてくれる書物で、それにちなんでいるのは感激だ。うららかな春の日のような時代がやってきてほしいという願いが込められているのだと思う。グローバル化が進めば進むほど、日本人が日本人であることを意識することは難しい。そんなときに日本の書物から元号が取られたのは意味がある」と話していました。

書店に特設コーナー

東京都内の書店では、早速新元号に関連して「万葉集」の書籍のコーナーを作って販売する店も出ています。

東京 神田神保町にある書店では新元号が発表された後、早速「平成から令和へ」というコーナーを設け典拠となった「万葉集」や関連の本を並べました。

コーナーを担当した神保町ブックセンターの久木玲奈さんは「もともと元号に関するコーナーを作る予定でしたが、典拠が万葉集と知り、店内にあった本を集めました。関心が高まりそうなので追加の本を取り寄せることも検討したいと思います」と話していました。

古書専門店では

東京 神田の古書店街にある日本の古書専門店では「万葉集」が新しい元号の出典になったことを受けて、「日本の古典への関心を持ってほしい」と期待の声が聞かれました。

世界でも有数の古書店街にある神田神保町の老舗の古書店では、江戸時代から明治にかけて出版された本を中心に販売しています。新元号が発表されると店主たちがおよそ2万冊ある古書の中から江戸時代に出版された木版の「万葉集」を探し出して「令和」の二文字を確認していました。

店で販売している古書には値札に本が出版された江戸時代から明治にかけての数多くの元号が記されています。

今回、新たに「万葉集」から「令和」が元号に加わったことについて店主の纐纈公夫さん(79)は「日本の古典が出典となり、びっくりしているが、とても良いことで、これをきっかけに多くの人に日本の古典への関心を持ってほしい」と話していました。