福島 大熊町の一部地域で来月避難指示解除 原発立地自治体で初

福島 大熊町の一部地域で来月避難指示解除 原発立地自治体で初
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東京電力福島第一原発の事故のあと、福島県大熊町の全域に出されている避難指示が、来月10日に一部の地域で解除されることが決まりました。福島第一原発が立地する自治体で避難指示が解除されるのは初めてです。
これは国の原子力災害現地対策本部長をつとめる磯崎経済産業副大臣や大熊町の渡辺町長などが26日記者会見し明らかにしました。

それによりますと、大熊町では福島第一原発の事故のあと全域で避難指示が出されていますが、放射線量が下がったとして来月10日の午前0時に一部の地域で解除されることが決まりました。

解除されるのは、町の中心部から南西に離れた大川原地区と中屋敷地区で町全体の面積のおよそ40%に当たります。

2つの地区には、先月末の時点で140世帯の374人が住民票を登録していて、町全体の3.6%となっています。

大熊町役場は、およそ100キロ離れた会津若松市にある仮庁舎で業務を行ってきましたが、来月14日に大川原地区に建設された新しい庁舎が開庁し、5月7日から業務を始める予定です。

福島第一原発が立地する大熊町と双葉町で避難指示が解除されるのは初めてとなります。

渡辺復興相「帰還に向け環境整備を支援」

渡辺復興大臣は閣議のあとの記者会見で、「来月14日に予定されている大熊町役場の新庁舎の開庁と合わせて、復興に向けた明るい動きだ。復興庁として、町の要望を真摯(しんし)に聞きながら、 避難指示が解除される区域の住民の帰還に向けた環境整備と、町の復興を引き続き支援していきたい」と述べました。

鈴木副知事「復興へのスタート」

大熊町の一部での避難指示解除について、福島県の鈴木正晃副知事は、「あくまでも到達点ではなく復興へのスタートだ。戻ってきた住民が安心して暮らせる環境を整えることが重要で、県としてもインフラの整備などに積極的に関わっていきたい。国にも支援を引き続きお願いしたい」と述べました。

渡辺町長「ようやく一歩」

町の一部での避難指示解除について、大熊町の渡辺利綱町長は、「役場の開庁式が行われる4月14日の前に避難指示が解除されることになり、喜ばしく感じている。ようやくここまで来た、ようやく一歩を踏み出すという気持ちが強い。大熊町の新たなまちづくりを進めていくためにきちんと取り組んでいきたい」と述べました。

町民は…

福島県大熊町では、来月避難指示が解除される2つの地区を除くすべての地域が放射線量が比較的高い帰還困難区域に指定されていて、今後も避難指示が継続されます。

大熊町から避難し、会津若松市の仮設住宅で暮らす武澤友治さん(72)は自宅が帰還困難区域にあり、放射線量を下げるための除染も行われていません。

武澤さんは、「今回の避難指示の解除はあくまで一部の地域で行われ、町民全員が帰ることができるわけではありません。避難指示が解除されても町には病院や学校はなく、若い人は戻らないのではないかと思います。今後も広い範囲で除染を行ってもらえるように行政にはきちんと取り組んでもらいたいです」と話していました。