羽生結弦 公式練習で4回転ジャンプ披露 4か月ぶり実戦前に

羽生結弦 公式練習で4回転ジャンプ披露 4か月ぶり実戦前に
フィギュアスケートの世界選手権が20日からさいたま市で開かれるのを前に、オリンピック2連覇の羽生結弦選手が公式練習に臨み、右足首をけがした去年11月以来4か月ぶりとなる実戦へ向けて、4回転ジャンプなどを披露しました。
世界選手権には、男子シングルに羽生選手のほか、宇野昌磨選手と田中刑事選手、また女子シングルには紀平梨花選手、坂本花織選手、宮原知子選手が出場します。

羽生選手は去年11月にロシアで開かれたグランプリシリーズの大会の練習中に右足首のじん帯などをけがし、全日本選手権などその後の大会を欠場していました。

19日午前11時から男子シングルの公式練習が行われ、およそ4か月ぶりの実戦となる羽生選手は氷の感触を確かめるようにゆっくりと滑り始めました。

そして、3種類の4回転ジャンプや、自身が今シーズン世界で初めて着氷した4回転トーループとトリプルアクセルの連続ジャンプなどを次々と着氷し、右足首のけがを感じさせない練習を披露しました。

宇野選手は、ショートプログラムの曲をかけての練習で大技の4回転フリップなど3つのジャンプすべてを着氷させ、順調な調整ぶりをうかがわせました。

大会は20日開幕し、男子シングルのショートプログラムは21日、フリーは23日に行われます。

羽生「胸を張って100%と言える状態」

右足首のけがの影響で4か月ぶりの実戦となる羽生結弦選手は、「右足首の状態は完治したわけではないが、試合に出られるように周囲のサポートを受けながら体づくりをしてきた。今シーズンが始まる前に理想としていた100%ではないかもしれないが、世界選手権に向けては胸を張って100%と言える状態だ」と笑顔で話しました。

また、練習を再開してから19日の公式練習までの過程を聞かれ、「1つ1つの完成度を上げる練習から始めて、ループまでジャンプを飛べるようになったのは、3週間前くらい。去年のピョンチャンオリンピックの時とは違い、今大会では、ループを飛ばなくてはいけないという強い使命感があるので、耐えられるような筋力をつける努力をしてきた」と振り返りました。

さらに、去年のピョンチャンオリンピックでもけがを克服して金メダルをつかみとった経験を踏まえ、「あのとき、自分の中で一番大切だったオリンピックでほぼ納得のいく演技で優勝できたことがすごく自信になっている。気持ちは楽ではなかったが、試合に出られなかった期間も含めてどのように試合に向けて気持ちをつくっていけばいいのか、どういうふうに日々を過ごしていけばいいのか、けが明けがどれほど苦しいかということも経験したうえで今回の準備ができた」と話していました。

そして、19日の公式練習については、「調子は別にして、メインのリンクでやりたかったことはできたし、感じたかったことも1つ1つ感じることができた。やりたかったことすべてを達成したので感覚よく滑ることができた。練習からこれだけたくさんの人が来てくれるのも自分の国での開催ならではと思う」と満足そうに話していました。

さらに「けがをした去年のグランプリシリーズのロシア大会で、燃やし尽くした部分はあった。ロシア大会の練習でけがをした直後に、フリーを滑るのも大きな決断だったが、そこで滑り切れたからこそ自分のなかでくすぶり続けていたものから解放された感覚もあった。ただ、その後の試合に出られない時期はものすごくつらく、“油はあるし火もあるけど小さな部屋の中で燃えている状態”だった。今は、“本当に大きな箱の中で光って暴れ回れる炎”になれている」と現在の心境を独特の表現で述べました。

大会への意気込みについては、「周囲のサポートに感謝して滑りたい。競技者として勝つということが一番大切だが相手に勝つということだけではなく、自分自身に勝ったうえで、煮えたぎっている勝ちたいという欲求に対して素直になって勝ちをつかみたい」と力強く話していました。

宇野「結果を求めて試合に挑む」

4年連続の出場で初優勝を目指す宇野昌磨選手は「今シーズンやってきたプログラムに磨きをかけて、よりよい結果を求めて練習してきた。調整も順調に来ている。これまでは結果を気にせず自分の満足のいく演技ができたらいいというのがモットーだったが、この試合で初めて結果を求めて試合に挑みたい。それが緊張につながるかどうかは分からないが、自分にとって貴重な経験になることに間違いない」と引き締まった表情で話していました。

田中「歓声を自分の力に」

3年連続の出場となる田中刑事選手は「全日本選手権と四大陸選手権の時につかんだ感覚を今回もしっかりとつなぐということをテーマに練習してきた。たくさんの人が見ている中で本番を想定した練習ができているので、歓声を自分の力に変えたい」と話していました。