各地の高校で人の頭蓋骨など見つかる 教育委員会が対応

各地の高校で人の頭蓋骨など見つかる 教育委員会が対応
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福井や愛知など各地の高校で、人の頭蓋骨や全身の骨とみられるものが保管されているのが相次いで見つかり、各学校では身元や保管の経緯がわからないことから、県教育委員会に報告して警察に鑑定を依頼するなど、対応にあたっています。
各県の教育委員会などによりますと、福井県では去年鹿児島県の県立高校で人の頭蓋骨が見つかったことを受けて県教委が調べたところ、県内3つの県立高校で頭蓋骨のようなものが見つかったほか、石川県でも県立高校など4校で、また、愛知県でも2つの県立高校で頭蓋骨や人の全身の骨とみられるものが保管されていたことがわかったということです。

このうち福井県では人の頭蓋骨とみられるものはすでに警察に引き渡されていて、警察は本物かどうかや性別などについて鑑定することにしています。

また、石川県と愛知県では県教育委員会が対応を検討しています。

福井県の三国高校では生物の教室近くの標本棚でガラスケースに入った状態で保管され、数年前まで生物の授業で標本として使用されていたとみられるということで、以前から教員の間では「本物の人の頭蓋骨だ」と引き継がれてきたもののいつから保管されているかなど詳しい記録は残っていないということです。

この問題をめぐっては去年、鹿児島県と大分県の県立高校で人の頭蓋骨が見つかり、このうち鹿児島では警察が調べた結果「事件性はない」として、鹿児島市が身元不明で引き取り手のない「行旅死亡人」として埋葬したうえで官報に掲載し、身元の確認につながる情報の提供を呼びかける対応をとりました。

元生物教師で教育委員会の担当者は

今回の件について、去年まで福井県内の高校で「生物」の授業を担当してきた福井県教育委員会の清水徹弘さんは「『生物』は生命の尊厳を伝える科目なので生徒自身が実際のものに接して感じることは非常に重要なことだと考えています」と話しています。

そのうえで清水さんは、「今まで『本物の人骨かもしれない』ということで、各学校で大切に保管され、教育に使われて来た経緯もあるので、所持することに問題がないことがわかり各学校で必要だと判断されるのであれば、今後も大切にお使いいただきたいと考えています」と話しています。

専門家は

医学の歴史の専門家などでつくる日本医史学会の理事長で解剖学に詳しい順天堂大学医学部の坂井建雄教授は、歴史が長く伝統のある高校には大学の医学部などで標本として使われていた人の頭蓋骨などが寄贈されて保管されている可能性があると指摘しています。

坂井教授によりますと、遺体の解剖の際には遺族の承諾などが必要と定めた「死体解剖保存法」が昭和24年に制定されましたが、それ以前は各地の医学校や大学の医学部では医療機関などから提供された身寄りのない遺体で解剖実習が行われ、解剖後に遺体の骨を使った骨格標本が作られるケースが少なくなかったということです。

坂井教授は今回見つかった頭蓋骨とみられるものが数十年から100年余り前のものだった場合、こうした骨格標本の一部が当時地元の高校などに寄贈された可能性があると指摘しています。

そのうえで坂井教授は「事件性がなく正当な経路で入手したものなら人の骨格標本を所持すること自体には問題ない。医学教育や研究には重要な意味を持つものなので、倫理的な側面などへの懸念で高校で保管するのが難しいという場合、大学などへの寄贈も検討してほしい」と話しています。

文科省「適切な対応の検討を」

文部科学省教育課程課では「全国調査をすることは考えていない」としています。

そのうえで各学校では、本物の人の骨かどうかや入手経路が不明なケースは各都道府県の教育委員会に報告し、必要に応じて警察と連携するほか、大学への寄付や教育現場で引き続き保管するなど、適切な対応を検討してほしいとしています。