スプレー缶 どう捨てる? 穴を開けるか、開けないか

スプレー缶 どう捨てる? 穴を開けるか、開けないか
札幌市で起きた爆発事故でスプレー缶に注目が集まっています。殺虫剤や消臭剤、それに整髪剤など、身の回りにあふれるスプレー缶。捨てるとき、穴を開けますか?それとも開けないまま捨てますか?どっちが正しいのでしょうか?(ネットワーク報道部・管野彰彦、高橋大地、玉木香代子、映像取材部・長山剛、社会番組部・吉田菜穂)

札幌で爆発事故

今月16日に札幌市で起きた爆発では全焼した建物に入る不動産会社の従業員が大量のスプレー缶のガスを抜いていたところ、閉めきった室内にガスが充満して引火し、爆発したと警察は見ています。

スプレー缶のガスが原因の火災は各地で起きています。
東京消防庁によりますと、平成25年から去年までの5年間でスプレー缶が原因の火災は546件に上り、ことしは先月末までに合わせて79件起きています。

どう処理すれば…

どうしたら安全にスプレー缶を処理できるのでしょうか?
重要なのは中身をすべて出し切ることです。
いま製造されている、ほぼすべてのスプレー缶には、ガス抜きキャップが付いています。缶を逆さまにしてスプレーの先端部分をキャップの穴の部分に差し込み、中のガスなどを抜きます。その際屋外の風通しが良く、火の気のない場所で処理することが重要です。

自治体で異なるルール

スプレー缶の廃棄方法は各自治体が決めていますが、実は、自治体によってルールが異なります。
東京23区では、中身を使い切ったうえで、缶に「穴は開けず」に出すよう呼びかけています。
こちらは火の気の近くで、ガスが残っているスプレー缶に穴を開けたことを想定した実験です。

東京消防庁によりますと、過去5年間(平成24~28年)に起きたスプレー缶が原因とみられる火災のうち、穴を開ける際がおよそ4分の1を占めています。

こうしたことから環境省は「穴を開けない状態で収集するのが望ましい」としているのです。

穴開けない派は…

1日平均4000本を超えるスプレー缶を収集する東京 世田谷区。缶に「穴を開けない」よう呼びかけています。

世田谷区では過去に、運搬や処理の過程でガスの残ったスプレー缶が破裂して火災が起きたり作業員がけがをしたりすることがあったため中身を使い切ったうえで、ほかの不燃ゴミとは分けて透明な袋に入れ、「スプレー缶」と書かれた紙を貼って廃棄するよう呼びかけています。
さらに、世田谷区では破裂や爆発の事故を防ぐためにスプレー缶を処理するための専用の装置をつかっています。装置の中にスプレー缶を入れて中に窒素を充填(じゅうてん)し、それから酸素を抜いて爆発を防ぐ仕組みです。
区によりますと、業者からこの装置を2台借りていて年間580万円余りのリース料がかかるということです。

世田谷区でゴミ処理を担当する齋藤勇係長は「どうしてもお金はかかってしまうが、安全を優先していきたい」と話していました。

穴開ける派は…

これに対して同じ東京都でも立川市や武蔵村山市、東大和市などでは中身を使い切ったうえで、スプレー缶に「穴を開けてから」廃棄するよう呼びかけています。

スプレー缶がゴミ収集車の中で爆発したりするなどして事故につながる危険性があるためです。
このうち立川市では今月17日にもスプレー缶が原因でゴミ収集車から突然、発煙し、ごみの一部が燃える事故が起きました。

ことし4月には、消防車が出動して消火にあたるほど大きな火災も起きています。

立川市ではスプレー缶に穴を開けて完全にガスを抜いて燃やせないゴミではなく、空き缶として分別してゴミ出しをするようにしています。

戸惑う声も

自治体によってスプレー缶の廃棄のルールが異なることについて、インターネット上では戸惑う様子も見られます。

ツイッターでは、「引越しでスプレー缶処分した時、地域によって捨て方違うって書いててビビったな」とか「穴開けろって言ったり開けるなって言ったり、各自治体によってスプレー缶の捨て方が違うのって困ります」などと戸惑う声が出ています。

「開ける」が7割

環境省はおととし、全国の自治体を対象に、家庭ごみとして出されるスプレー缶の収集方法について調査しました。
回答があった1728の自治体のうち、「穴を開けた状態で収集する」と答えたのが73%、「開けない状態」が27%でした。人口50万人以上の自治体に限ると、「穴を開けた状態」が29%、「開けない状態」が71%と、全体の回答とは逆の傾向になりました。
これについて環境省は、穴を開けない状態で収集するには分別などの態勢を整える必要があるため、自治体の規模によって差が出ているとしたうえで、どのように収集するか、最終的には自治体の判断に任せているとしています。

国民生活センターが平成26年に行った調査でも、穴を開けるかどうかに加えて、住民への注意呼びかけの内容が異なるなど、自治体の対応の違いが浮き彫りとなっています。

国民生活センターは、自治体の対応が異なる現状では、穴を開けるかどうかにかかわらず、缶の中身を安全な場所ですべて出し切ってから、廃棄することが大切だとしています。

必ず使い切ってから

年末にかけて、大掃除を行う際に、使い残ったスプレー缶を捨てる人が増えると思います。スプレー缶を捨てる時は必ず中身を使い切ってから。ホームページなどでお住まいの自治体が指定する処理の仕方を調べて見て下さい。