ゴーンショック ~日産のねらいが頓挫した会長人事
日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が逮捕されてから、19日で1か月になります。日産では11月の取締役会でゴーン前会長を経営トップから解任したため、会長の後任人事が焦点になっていました。しかし、大株主ルノーからのけん制もあってか、日産が17日を目指していた後任の決定は先送りになり、会長の不在は長期化する見通しになりました。(経済部記者 鈴木啓太 早川俊太郎)
後任会長決定見送り
「空席となっている取締役会長は、継続協議ということで、確認いたしました」
日産の西川社長は17日の取締役会のあとの記者会見で、焦点になっていた会長人事についてこう述べました。
日産は当初、この日の取締役会で後任の会長を決めることを目指していましたが、候補者の選任を託した3人の社外取締役から「継続協議する」との報告を受け、決定を先送りにするというのです。
社外取締役の議論で、ガバナンスの見直しの議論を優先すべきという声が強まったためです。
社外取締役からの提案を受け、経団連の※さかき原名誉会長ら4人の専門家を加えた「ガバナンス改善特別委員会」をこの日、設置したことを発表。この委員会で、ゴーン前会長の不正を招いた要因を解明し、新しい経営体制について提言を受けるということです。※「さかき」は 木へんに神
西川社長はこの委員会でのガバナンスに関する議論を踏まえたうえで、後任の会長人事を協議するとして、早急に人事を決める必要はないという姿勢を強調しました。
日産は当初、この日の取締役会で後任の会長を決めることを目指していましたが、候補者の選任を託した3人の社外取締役から「継続協議する」との報告を受け、決定を先送りにするというのです。
社外取締役の議論で、ガバナンスの見直しの議論を優先すべきという声が強まったためです。
社外取締役からの提案を受け、経団連の※さかき原名誉会長ら4人の専門家を加えた「ガバナンス改善特別委員会」をこの日、設置したことを発表。この委員会で、ゴーン前会長の不正を招いた要因を解明し、新しい経営体制について提言を受けるということです。※「さかき」は 木へんに神
西川社長はこの委員会でのガバナンスに関する議論を踏まえたうえで、後任の会長人事を協議するとして、早急に人事を決める必要はないという姿勢を強調しました。
「(後任会長の選任は)慎重にやろうと思っている。いつまでに決めてくれと、せかすつもりはない。第三者などによる委員会の議論も含めて、3月末まで決まらなくてもいいかなと考えている」
ルノーからのけん制
ゴーン前会長の後任人事をめぐっては、日産への影響力を残したいとする大株主のルノーからけん制する動きが強まっています。
11月の取締役会を前に、ルノーは、会長など、COO=最高執行責任者以上の職にはルノー出身者を1人置くという19年前の取り決めに基づき、みずから新会長を選ぶことを日産に求めていました。
さらに、関係者によりますと、ルノーは日産に対して、臨時の株主総会をできるだけ早く開くよう求めているということです。ゴーン前会長の逮捕で三菱自動車工業を含めた3社のアライアンスの安定にリスクが生じているため、透明性の高い株主総会の場で今後について、議論したいというのです。
日産の議決権の43%余りを持つルノーにとって、株主総会は強い支配力を発揮できる場です。取締役の選任、解任も決定できる株主総会開催の提案も日産の動きをけん制するもので、会長の決定先送りに影響したと見られます。
日産の西川社長は、記者会見で、ルノーとの関係について、こう述べています。
11月の取締役会を前に、ルノーは、会長など、COO=最高執行責任者以上の職にはルノー出身者を1人置くという19年前の取り決めに基づき、みずから新会長を選ぶことを日産に求めていました。
さらに、関係者によりますと、ルノーは日産に対して、臨時の株主総会をできるだけ早く開くよう求めているということです。ゴーン前会長の逮捕で三菱自動車工業を含めた3社のアライアンスの安定にリスクが生じているため、透明性の高い株主総会の場で今後について、議論したいというのです。
日産の議決権の43%余りを持つルノーにとって、株主総会は強い支配力を発揮できる場です。取締役の選任、解任も決定できる株主総会開催の提案も日産の動きをけん制するもので、会長の決定先送りに影響したと見られます。
日産の西川社長は、記者会見で、ルノーとの関係について、こう述べています。
「ルノーの皆さんの意見は十分聞きながら進めたい。ただし、最終的に日産のガバナンスに責任を持つのはわれわれですから、われわれが納得いく形で決めるべきだろうと」
問われる日産のガバナンス
一方で、日産にとって、後任の会長人事に先立って取り組むことにしたガバナンス強化は大きな経営課題です。
ゴーン前会長が有価証券報告書にみずからの報酬を少なく記載していたとして、10日、東京地検特捜部に起訴・再逮捕された金融商品取引法違反の罪については、法人としての日産も起訴されています。
関係者によりますと、退任後の報酬に関する文書には西川廣人社長のサインもあったということです。さらに、長年にわたり、巨額のうその記載を許した日産の責任は重いと判断され、起訴に至ったということです。
関係者によりますと、退任後の報酬に関する文書には西川廣人社長のサインもあったということです。さらに、長年にわたり、巨額のうその記載を許した日産の責任は重いと判断され、起訴に至ったということです。
また、日産の内部調査でゴーン前会長の海外の高級住宅の購入に関わっていた疑いがあるオランダの子会社について、監査法人から「業務は適切なのか」と、複数回、指摘されていたこともわかっています。ゴーン前会長の不正を巡っては、日産のガバナンスや経営陣の責任も問われているのです。
さらに、生産現場でもガバナンスの強化が大きな課題となっています。
さらに、生産現場でもガバナンスの強化が大きな課題となっています。
日産では検査データの不正が相次いでいて、去年10月以降、リコールの対象となった車は合わせて130万台にのぼります。一連の不正を巡っては、ことし9月に再発防止策を報告書にまとめ、国土交通省に提出していましたが、日産の調査では、その後も10月25日までは不正な検査が続けられていたということです。
国土交通省は再発防止策の実施状況を四半期ごとに報告するよう求めるなど指導を徹底していくことにしています。日産は、検査体制でも立て直しを求められています。
国土交通省は再発防止策の実施状況を四半期ごとに報告するよう求めるなど指導を徹底していくことにしています。日産は、検査体制でも立て直しを求められています。
どうなる会長人事
まずはガバナンス強化が急務だとして、先送りされたゴーン前会長の後任人事。
関係者によりますと日産社内では、来年6月にも予定している定時の株主総会に合わせて、後任の会長を含めた新体制を発足させることも検討されているということで、会長の不在は長期化する見通しです。
関係者によりますと日産社内では、来年6月にも予定している定時の株主総会に合わせて、後任の会長を含めた新体制を発足させることも検討されているということで、会長の不在は長期化する見通しです。
思い返せば、12月4日に開かれた日産の3人の社外取締役による初めての協議。取締役会から託されたゴーン前会長の後任候補者の選任について、ルノー出身のジャンバプティステ・ドゥザン氏は「もっと時間がほしい」と発言したといいます。
ルノー側の社外取締役の発言通りになった今回の会長人事、日産にとっては決定を強行することは避けた形と言えます。
いずれにしても、速やかに後任会長を決め、新体制を整えたうえで、ルノーとの関係見直しに動き出そうという当初の日産のねらいは頓挫したと言えます。
ルノー側の社外取締役の発言通りになった今回の会長人事、日産にとっては決定を強行することは避けた形と言えます。
いずれにしても、速やかに後任会長を決め、新体制を整えたうえで、ルノーとの関係見直しに動き出そうという当初の日産のねらいは頓挫したと言えます。
経済部記者
鈴木 啓太
平成15年入局
経済部から帯広局で1次産業を中心に取材
現在 自動車業界を担当
鈴木 啓太
平成15年入局
経済部から帯広局で1次産業を中心に取材
現在 自動車業界を担当
経済部記者
早川 俊太郎
平成22年入局
横浜局、岐阜局、名古屋局をへて
現在 自動車業界を担当
早川 俊太郎
平成22年入局
横浜局、岐阜局、名古屋局をへて
現在 自動車業界を担当