駐車したら15万円!?

駐車したら15万円!?
「あれ?こんなに払うの…」

コインパーキングに駐車し、用事を済ませ、
「さあ、出発だ」
その時、思わぬ料金を請求された経験はありませんか?

帰省に旅行に買い出しなど、年末年始はお出かけシーズン。
でも、コインパーキングの料金はいつもと違う場合があります。トラブルを避けるには、どこに気をつければいいのか取材しました。(ネットワーク報道部記者 木下隆児 田辺幹夫 藤目琴実)
最近、コインパーキングの料金をめぐる相談が、各地の消費生活センターなどに相次いでいます。その一部を見ると…。

「夜間料金として『夜10時から朝8時までは500円』と書かれていて、夜9時に車を入庫したら、夜10時以降も通常料金を適用された。業者に確認すると、『夜間料金になるのは、夜10時以降に入庫した時に限る』と言われた」(40代男性・東京都)

「駐車区画によっては割引されないことが車止めに書かれていた。駐車したあとは車の下に隠れるので気づくことができない」(60代男性・神奈川県)

中には、こんな相談も。

「年末年始の特別料金として、1週間で15万円を請求された」

平成25年度から横ばいだった相談件数は、昨年度・平成29年度には363件と増加に転じています。

ネット上にも怒りの声

ネット上でも、料金表示のわかりにくさに怒りの声が多数投稿されています。

“字が小さすぎて読めない!”

「国民生活センター」が相談事例を分析したところ、こうしたコインパーキングには、次のような特徴があるようです。

▼「24時間最大○○○円」などの「最大料金」という表示がされているケース。
多くの場合、「1回限り」や「24時間以降は通常料金」など条件があるということです。しかし、ドライバーが条件を理解していなかったり、誤解していたりして、想定よりも高額の料金を請求されたというものです。

▼年末年始などに混雑時の特別料金が設定されるケース。

▼また、料金が特定の時間や曜日、駐車区画だけに適用されるケース。

文字が小さく、駐車場の奥にある看板や精算機にのみ表示されているなど、「わかりにくいこと」が原因でトラブルになることが多いようです。

また、最大料金が時間別に複数、設定されているなど、そもそも料金体系が複雑になっていることがトラブルを引き起こすことも。
このため「国民生活センター」は、11月、コインパーキングの事業者で作る業界団体に対し、利用者に理解しやすい料金体系を用いるほか、わかりやすい表示を徹底するよう求めました。

業界団体加盟は1~2割

一方、業界団体「日本パーキングビジネス協会」(以下、JPB)は、どう受け止めているのでしょうか。担当者に聞いてみました。

「真摯(しんし)に受け止め、協会の会員業者に対して、周知の徹底を図っていきたい。協会としては平成26年にコインパーキングの料金の表示に関してガイドラインを作っている。会員業者にガイドラインに沿って、わかりやすい料金の表示に努めるよう、改めて求めていきたい」(JPB担当者)

そのガイドライン、このように定めています。

料金の案内看板に表示する項目は、通常料金、最大料金、曜日、時間、特定料金、最大料金の繰り返しの有無、問い合わせ先、駐車場名、会社名(ブランド名)を必須。

文字の大きさは最低3センチ以上。

たとえば、次のような看板になるそうです。
最大料金と通常料金を明確に分けて記載します。
そのうえで、たとえば、最大料金については、
◆平日は、入庫したあと、12時間以内であれば1000円、
◆土日・祝日は1200円と、曜日によって料金が変わることを大きな文字で示します。

最大料金が適用されるのは1回だけ、繰り返し適用しないとした「注意事項」は、最大料金の下に記します。
こちらの文字の大きさは3センチです。わかりやすく表示すれば、それだけトラブルは防げそうです。でも、徹底されているのでしょうか?

担当者からは、意外な答えが返ってきました。

「実は、協会に加盟しているのは業者全体の15~20%。加盟していない大手業者には個別にガイドラインの内容を伝え、それに沿った表示をしてもらっているところもあるが、会員以外に対し、協会のガイドラインに沿うよう、強くお願いはできない」(JPB担当者)

業界団体とはいえ、加盟する業者は少ないんですね。
そうした実態を踏まえ、JPBの担当者は、こう話しています。

「料金表示をめぐるトラブルは、協会に加盟していない業者が運営するコインパーキングで起きているケースも多く、そうした業者にどのように適切な表示をしてもらうか、国民生活センターと相談していきたい」

ドライバーの声を受けて、改善に取り組む業者もいます。

10年ほど前から年末年始の特別料金を設定しているというある業者は、以前は通常料金が書かれた看板に特別料金を書き加える形だったそうですが、2つの料金を混同しないよう、特別料金を全面に上貼りするよう変更したそうです。

また、精算機や出入り口など複数の場所に料金を表示しているほか、特別料金の期間が始まる1~2週間前から案内を掲げ、周知に努めているということです。

何に気をつければ?

では、私たちドライバーはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?

「国民生活センター」は、駐車料金の条件を、駐車する前だけでなく、駐車したあとにも再度、確かめておくことで、思いもよらぬ高額な料金になってしまうのを避けられるとしています。

特に、最大料金の条件(時間帯、適用される回数、どの駐車スペースで適用されるか)や、年末年始・イベントの際には特別料金が設定されることもあります。看板や精算機に書かれている詳しい案内を、しっかり確認することが大切です。
「万が一、高額請求などのトラブルになった時には、最寄りの消費生活センターに相談してください。看板などにある料金の表示をスマホなどで写真に撮り、領収書も保存しておくと、表示が適切だったかどうか客観的に検証できます」(国民生活センター相談情報部・藤田大幹さん)

ネット上でも、個人でできる対策として「入庫する際に時間の分かる画像をスマホで撮影・保存しておくこと」を実践している人がいました。

「コインパーキングはたまに誤作動を起こすことがあるので、入る時にはスマホで時間のわかる画像を撮る事をお勧めします」

何かと出費の多い年末年始。不意に「痛い出費」とならないよう、きちんと確認してから利用することが大切です。