車いすラグビー世界選手権 日本が金メダル

車いすラグビー世界選手権 日本が金メダル
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オーストラリアのシドニーで開かれた車いすラグビーの世界選手権で、日本はパラリンピックを2連覇している強豪のオーストラリアに決勝で62対61で勝ち金メダルを獲得しました。日本が車いすラグビーで金メダルを獲得するのは、パラリンピックと世界選手権を通して初めてです。
車いすラグビーの世界選手権は4年に1回開かれている大会で、5大会連続出場で世界ランキング4位の日本は、決勝で世界1位のオーストラリアと対戦しました。

日本は、予選リーグではオーストラリアに13点の大差をつけられて敗れましたが、決勝では、キャプテンの池透暢選手からエースの池崎大輔選手にロングパスでつなぐ得意な形でトライを決め、守りでも女子の倉橋香衣選手など障害の重い選手が健闘し、4点をリードして前半を折り返しました。

このあと第3ピリオドにオーストラリアが地力を発揮して、4連続トライを奪われ一時逆転されましたが、61対60と1点リードで迎えた第4ピリオドの終盤に、エースの池崎選手が相手のパスを奪って得点につなげるビッグプレーを見せてリードを広げました。

日本は、オーストラリアに62対61で競り勝ち、金メダルを獲得しました。

日本が車いすラグビーで金メダルを獲得するのは、パラリンピックと世界選手権を通して初めてで、2年後の東京パラリンピックに向けて大きなはずみをつけました。

主力に加え新戦力も活躍

車いすラグビーの日本代表は、世界ランキング4位で、チームの中心は、キャプテンを務める38歳の池透暢選手とエースで40歳の池崎大輔選手の2人です。

このうち池選手は、19歳のときに交通事故で左足を失い、右足もほとんど曲がらないなどの障害があります。ロンドンパラリンピック後に車いすバスケットボールから車いすラグビーに転向し、正確なロングパスを持ち味に苦しい状況を一気に打開できる力があります。

一方、池崎選手は、6歳のときに手足の筋肉が徐々に衰える難病にかかり、20代後半に車いすラグビーを始めました。パスを受けてからゴールに迫るスピードは世界トップレベルと言われています。

今大会では、チームを引っ張ってきた主力2人に加えてチーム最年少の16歳で生まれつき手足に障害がある橋本勝也選手は攻撃の面で、女子の倉橋香衣選手は守備の面でしっかりと役割を果たすなど2年後のパラリンピックに向けた戦力の底上げに手応えをつかむ過去最高の金メダルという結果を残しました。

キャプテン池選手「成長を続けたい」

車いすラグビーの日本代表のキャプテン、池透暢選手は「ひと言で言えば最高という気持ちだ。目の前のことを1つずつクリアしてきたからこその結果だと感じている。リードしてもオーストラリアに逆転され、かなりタフなゲームだった」と話しました。

そのうえで「世界一は今のこの瞬間だけでここからはチャンピオンとして狙われる。まだ未完成なのが日本のいいところだ。成長を続けて2年後のパラリンピックでもチャンピオンになりたい」とさらなる成長を誓いました。

副キャプテン羽賀選手「東京で金メダル取りたい」

車いすラグビー、日本代表の羽賀理之選手は「ずっと目標にしていた世界一がとれてうれしい。副キャプテンという立場でだめなところもあったが貢献できた。まだまだ世界一の実力には達していない。東京パラリンピックで実力で金メダルを取れるようチーム一丸で頑張りたい」と話しました。

エースの池崎選手「すごくうれしい」

車いすラグビー、日本代表のエース、池崎大輔選手は「チャンピオンになるのは初めてで、すごくうれしいのひと言だ。チームとして1つずつ成長し、ミスを少なくして相手のミスを誘い、最後まで諦めずに戦った。日本のほうが強かったと思うし、たくさんの人たちに支えられ恩返しができた。追われる立場としてまだまだ強くなり、進化をとげていきたい」と涙を流しながら話していました。

乗松選手「決めたことやりきれた」

車いすラグビー、日本代表の乗松聖矢選手は、「チームで決めたことを1試合を通して最後までやりきれたのが勝ちにつながった。この大舞台で勝ち切れた経験は、2年後に金メダルを取るのに大きなアドバンテージになる。課題はあるので、2年間でしっかり修正したい」と話していました。

車いすラグビーとは

車いすラグビーは、手足に障害のある選手が専用の車いすに乗ってバレーボールとほぼ同じ大きさのボールをドリブルやパスでつなぎ、得点を争う競技で、8分間の4つのピリオドで行われます。

普通のラグビーと違って前にパスをしてもよく、ゴールラインを通過するとトライとなり、1点が入ります。

また、タックルが許されていて車いすどうしが激しくぶつかる迫力のあるプレーが特徴です。

1チーム4人で戦い、選手は障害の程度によって0.5から3.5までの7段階の持ち点があり、コート上の4人の持ち点の合計は8点以下にする必要があります。

男女の区別はなく女子選手が加わる場合は1人につき持ち点の上限が0.5ポイントずつあがるためどのような組み合わせで戦うかも注目点となります。

過去は銅メダルが最高

車いすラグビーで日本は、パラリンピックと世界選手権を通して過去最高の成績となる金メダルを獲得しました。

車いすラグビーは、パラリンピックでは2000年のシドニー大会から正式競技となり、日本は2004年のアテネ大会から4大会連続で出場しています。

最初のアテネ大会では8位に入り、その後は大会ごとに成績をあげ、おととしのリオデジャネイロ大会では初めてのメダルとなる銅メダルを獲得しました。

また、世界選手権もパラリンピックと同じように4年に1回行われ、日本は、2002年のヨーテボリ大会から今大会まで5大会連続で出場を果たしました。

世界選手権では、2010年に銅メダルを獲得したのがこれまでの最高の成績でした。