元スパイ暗殺未遂事件 米はロシアの犯行と断定 新たな制裁へ

元スパイ暗殺未遂事件 米はロシアの犯行と断定 新たな制裁へ
ことし3月、イギリスで起きたロシアの元スパイに対する暗殺未遂事件について、アメリカ政府は、ロシアによる生物化学兵器を使用した犯行と断定し、新たな制裁措置を取ると明らかにしました。
ことし3月、イギリス南部で起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件について、アメリカ国務省のナウアート報道官は8日、声明で、「ロシアは国際法に違反し、自国民に対して生物化学兵器を使用したという結論に達した」として、ロシアによる犯行と断定したと発表しました。

これを受けて、ロシアへの兵器に転用可能なタービンエンジンや電子部品などの製品の輸出を禁止する新たな制裁措置を取ると明らかにしました。

さらに、ロシアに対し、化学兵器を使用しないという約束と国際機関の査察受け入れを求め、これに応じなければさらなる追加制裁を科すとしています。

この事件をめぐって、アメリカ政府は、イギリスなどヨーロッパの国々と足並みをそろえる形で、アメリカ国内に駐在するロシアの外交官60人を国外に追放する措置を取っています。

制裁の発表について、アメリカのメディアは、トランプ大統領のロシアへの対応をめぐり、国内で「弱腰だ」などという批判が出る中、トランプ政権としてロシアに強い姿勢で臨んでいることをアピールする狙いがあるのではないかと伝えています。

ロシア報道官 米の制裁非難も一定の配慮か

こうした状況を受けて、ロシアの通貨ルーブルはおととし8月以来の安値となるなど、株価と通貨は値下がりしています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、9日、ロシアのメディアに対して、「制裁にもかかわらず金融システムは安定している」と強気な姿勢を示したうえで、「暗殺事件にロシアが関与していないのは、全く疑いがないことだ。制裁は容認できるものではなく国際法にも違反している」と述べ、非難しました。

一方でペスコフ報道官は、「ロシアはアメリカとの建設的な関係を築く希望は持ち続けている」とも述べ、先月のプーチン大統領とトランプ大統領の首脳会談で両国の関係改善が確認されたことに、一定の配慮も示したものと見られます。