相手はベルギー チョコレートにワッフル えっ!フリッツも?

相手はベルギー チョコレートにワッフル えっ!フリッツも?
サッカーワールドカップロシア大会、決勝トーナメントの1回戦。日本が挑むベルギーについて、ネット上では、「チョコレートにワッフル、ビールもうまい」、「『フランダースの犬』の舞台。なぜ、誰も言及しない!」といった声まで。でも、それだけじゃない、ベルギー。「サッカー気質」からお国柄まで、ベルギーのトリビア、見てみませんか?(ネットワーク報道部記者 佐藤滋 郡義之)
ベルギーのサッカーへの理解を深めれば、観戦が2倍も3倍も楽しくなる!そう思った私たちは、ベルギーでプレーした経験を持つ元選手に話を聞くことができました。

現在、東京を拠点として、子どもたちにサッカーを指導している遠藤雅大さん(47)です。

元選手が語る“どんな国”

ベルギーのサッカーへの理解を深めれば、観戦が2倍も3倍も楽しくなる!そう思った私たちは、ベルギーでプレーした経験を持つ元選手に話を聞くことができました。

現在、東京を拠点として、子どもたちにサッカーを指導している遠藤雅大さん(47)です。
元日本代表でもある遠藤さん、18年前の2000年から2年間、ベルギーリーグでは日本選手の「第1号」としてプレーしました。

「懐かしいですね」という第一声から、当時のことを振り返り、日本選手が海外でプレーすることが当たり前になった今では考えられないような「手荒い歓迎」のエピソードを明かしてくれました。

「パスが回ってこないといったようなことですか」と尋ねると「それは、序の口です。チームのメンバーに出される食事が僕には出てこない。ウエアも用意されていない。10歳以上も年下の17歳の現地の選手に『ボールを取ってこい』と言われたこともありました」

最初は、「閉鎖的」だと感じたベルギーの人たちですが、知り合ううちにその親切さに触れたという遠藤さん、食事もおいしく生活はしやすかったといいます。

ベルギーサッカー“激しいけど組織的”

では、プレーについては、どう感じていたのでしょうか。

「フランスやドイツなどヨーロッパのより高いレベルのリーグでプレーするための『ステップアップ』の場所と位置づけられていたのでみんな、『生き残るため』の激しいサッカーをしていました。自分も相手のシュートは顔で止めに行っていました」

ベルギーサッカーに激しく、大胆な印象を持ったという遠藤さん。

それから20年近くたった今、強調したのは「技術力」の向上と「組織力」です。

「若手の育成と強化がうまくいった世代だと感じています。各ポジションに経験のある選手がいてそれぞれの役割をしっかり果たしている」

そのベルギーに対して、日本は、チャンスを見いだせるのでしょうか。

遠藤さんは「やみくもにボールを取りに行くのではなく中盤での守備のプレッシャーが大事だと思います。“計画的”に立ち向かう日本人のよいところである“繊細さ”がカギになるのではないでしょうか」としたうえで、「日本にとってベスト8は未知の世界。失うモノはありません。勢いもあるし開き直っていけばベルギーにとっても怖い存在だと思います」と期待を込めていました。

ベルギーってどこにある?

さて、ベルギーがどこにあるか、皆さん、ご存じですか?

地図でヨーロッパを調べると、横長な形をした国を発見。

オランダ、フランス、ドイツ、ルクセンブルクに囲まれた地域、ここがベルギーです。

広さは九州よりも少し小さいくらい。人口も1100万人余りと、東京のおよそ8割です。
首都のブリュッセルには、EU(ヨーロッパ連合)やNATO(北大西洋条約機構)の本部があり、「欧州の首都」とも呼ばれています。

なじみ深いものが多いんです

あまりピンとこない方も多いかもしれませんが、日本人にとって、なじみ深いものが多いんです。
一番、有名なのは、ビールとチョコレート。中でも、ビールは、およそ1500種類もあって、世界でも有数の「ビール大国」なんです。

また、大人も子どもも大好きな「フライドポテト」。

実は、ベルギーが「元祖」とも言われ、現地では「フリッツ」と呼ばれ、親しまれています。
さらに、芸術・文化でも有名なものが。

私もかつて、涙なしには見られなかった名作アニメ、「フランダースの犬」は、ベルギーが舞台です。

また、「名探偵ポワロ」や、チルチルとミチルで有名な童話「青い鳥」もベルギーにゆかりがあります。

ちょっと、親近感持ちましたか?

“調和と団結”の国

もっと、ベルギーを知りたい!

私たちは、日本の「ベルギー」を訪れてみました。

東京・千代田区にある、「ベルギー・フランダース政府観光局」。

教えてくれたのは、日本地区局長の須藤美昭子さん。
ベルギーと関わって20年の「ベルギー通」です。

須藤さんにベルギーの特徴をひと言で表してもらいました。

その答えは、「調和の国」。

ベルギーは、話す言語によって、住む地域が分かれています。

歴史的な経緯から、主にオランダ語を話す北部の「フランダース地域」と、フランス語の「ワロン地域」。

しかし、地域が分かれているからといって紛争は起きていません。

「南北は決して仲が悪いわけではないんです。互いがどうしたら居心地がよく、暮らすことができるかを常に考えています。ベルギーは、互いの地域を尊重しながら『団結する国』といってもいいと思います」と須藤さんは言います。
そんなベルギーの人たちと長年、一緒に仕事をしてきた須藤さんが抱いた印象は「奥ゆかしさと優しさ」

あまり自己主張せず、相手と適度な距離感を持ちつつも、さまざまな情勢を見て判断するのだといいます。

須藤さんは「自信がないわけじゃないんですけど、すぐには自己主張してこない。でも、内に秘めたるものがあって、困っている人がいると親切にしてくれる。どこか、日本人に似ているのかもしれないですね」と話します。

3日未明の試合は、須藤さんはベルギー大使館で応援するとのこと。

「“仕事人”としてならベルギーを応援しますけど、日本人としてなら、もちろん日本。迷いますね」

似たところもある国どうしの3日の試合。

しかし、似ているからこそ、どちらが勝っても負けても、互いを思いやりながら、すがすがしい思いで終えられるのではないかと思いました。