GDP 年率-0.6% 9期ぶりマイナス

GDP 年率-0.6% 9期ぶりマイナス
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ことし1月から3月までのGDP=国内総生産は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス0.2%、年率に換算してマイナス0.6%となりました。マイナスは9期、2年3か月ぶりで景気回復にブレーキがかかりました。
内閣府が発表したことし1月から3月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス0.2%でした。

これが1年間続いた場合の年率に換算するとマイナス0.6%となり、9期、2年3か月ぶりにマイナスに転じました。

主な項目を見ますと、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、大雪の影響や野菜の高騰で買い物を控える人が多かったことから前の3か月に比べわずかなマイナスになりました。

「住宅投資」は、賃貸アパートの着工が減ったことなどからマイナス2.1%でした。

企業の「設備投資」もマイナス0.1%と、1年半ぶりにマイナスに転じました。

このように、今回は、個人消費や設備投資など内需がいずれもさえない結果となり、景気回復にブレーキがかかりました。

一方で、「輸出」はアメリカやアジア向けの自動車などが好調だったためプラス0.6%と、増加を続けました。

また、合わせて発表された昨年度1年間を通じたGDPの実質の伸び率は、プラス1.5%と、政府の見通しのプラス1.9%を下回りました。

専門家「上昇基調の中の踊り場 小休止の状態」

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは、9期・2年3か月ぶりにマイナス成長になった今回のGDPについて、「上昇基調の中の踊り場、小休止といった状況だ」と指摘しました。

また「非常に好調だったこれまでに比べ、景気の動きが若干弱まっているのは否定できないが、このまま景気が失速していく可能性はかなり低いと思う」と述べ、次の4月から6月のGDPはプラスに転じるという見方を示しました。

一方、今回ほぼ横ばいに低迷した個人消費については、「天候不順など一時的な要因で下ぶれしたが、それを除いてもあまり強くはない。消費者は今、給料が増えていてもこの先は減るという不安があると消費できないし、住宅ローンも組めない。自信を持つだけ増えていないということだと思う」と述べました。

また先行きについては、アメリカ経済の動向やトランプ政権の通商政策、原油価格の高騰などがリスクだと指摘し、「日本経済は海外経済が崩れたときに日本だけで支えられるほど内需が強くない」と述べました。

茂木経済再生相「景気はゆるやかに回復」

GDPがマイナスに転じたことについて茂木経済再生担当大臣は「野菜価格の上昇といった一時的な要因もあって、個人消費が横ばいになった。ただ、今回の結果は8期連続のプラスとなった後のものであり、2017年度を通してみれば、実質の成長率は1.5%となっている。景気はゆるやかに回復しているとの認識に変わりはない」などとするコメントを発表しました。

先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続いているため、消費や設備投資など民需を中心とした景気回復を見込んでいる。ただ海外経済の不確実性などの影響に留意する必要がある」としています。

菅官房長官「民需中心の景気回復を見込む」

菅官房長官は午後の記者会見で、「景気が緩やかに回復しているという認識に変わりはない。政府としては、今春の賃上げなどの雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し、また企業収益の改善を背景とした設備投資の増加など、民需を中心とした景気回復を見込んでいる」と述べました。

日本貿易会 小林会長「将来不安が要因」

日本貿易会の小林栄三会長は会見で「消費がどのように安定して回復するかが景気のポイントだが、小売業界の人と話をすると、日本の国民の消費意欲は必ずしも高いとは聞かない。消費が回復しないのは将来不安がいろいろあるためで、国民が長寿になる中、安心感が得られる政策が必要だ」と述べました。

一方、アメリカがイラン核合意から離脱した影響について「イランの市場の大きさ、資源大国としての魅力があるので、商社各社が事業を拡大しようと交渉を進めていただけに、残念ながら影響はないとは言えないが、その度合いはまだ分からない。今後、各社が影響を分析していくことになるが、よい形で収束することを期待している」と述べました。