トランプ政権の対北朝鮮政策は

トランプ政権の対北朝鮮政策は
アメリカのトランプ政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発の問題を、安全保障上の最大の課題と位置づけています。
トランプ政権は「すべての選択肢はテーブルの上にある」として、軍事的な選択肢も排除しない姿勢を示し、北朝鮮への圧力を最大限まで高め核・ミサイル開発の放棄に転じさせる取り組みを続けてきました。

そして、トランプ大統領は、去年の国連総会の演説では「北朝鮮の完全な壊滅」にまで言及して、強い警告を発しましたが、北朝鮮は弾道ミサイルの発射をやめず、情勢は緊迫していました。

しかし、ことしに入り、北朝鮮が対話の姿勢を示し始め、韓国で開かれたピョンチャンオリンピックに参加するなど、情勢は次第に変化します。

そして、先月、トランプ大統領の判断が世界を驚かせます。

トランプ大統領は、北朝鮮のキム委員長と会談した韓国政府の高官とホワイトハウスで会談。
キム委員長が、米朝首脳会談を提案しているとの説明を受けると、即座に応じる意向を示したのです。

その後、トランプ大統領は「うまくいけば、北朝鮮を非核化する合意ができるだろう」と述べ、核の放棄の実現に強い意欲を示しています。
そして、首脳会談は6月上旬までに開かれるとの見通しを示しています。

アメリカ政府は首脳会談の準備を進め、一部メディアは、新たな国務長官に指名されたポンペイオ氏率いるCIA=中央情報局が、開催場所などを協議するため、北朝鮮側と接触したと伝えています。

トランプ政権は、北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を目指しています。

トランプ政権は、過去のアメリカの政権は北朝鮮が対話に出るだけで圧力を緩めてしまい、欺かれたと批判し、北朝鮮が具体的な行動を示さない限り、制裁などの圧力を維持するとして日本など同盟国や、中国とも緊密に連携していく方針です。

トランプ政権では、保守強硬派として知られ、北朝鮮への武力行使も辞さない姿勢を示してきたボルトン氏が、今月、安全保障政策担当の大統領補佐官に就任し、対北朝鮮政策にどのような影響を与えるのかも注目されています。

米政府高官「日本人の拉致問題も重視」

トランプ大統領は、日本人の拉致問題をめぐって、国連総会の演説で、拉致被害者の横田めぐみさんに言及したほか、就任後の初来日の際にも拉致被害者の家族と面会し、その後の記者会見で「この問題にともに取り組み、何ができるか考えていく」と述べ、日本に協力する考えを示しました。

アメリカ政府の高官は、今回の日米首脳会談に先立つ今月13日に、「トランプ大統領は北朝鮮について考える時は、いつでも拉致被害者や拘束されているアメリカ人のことを心にとめている」と述べ、トランプ大統領は拉致問題も重視していると強調しました。

このため、トランプ大統領が米朝首脳会談で日本人の拉致問題についても取り上げるかが注目されます。

米朝首脳会談は同盟国との連携が焦点

一方、米朝首脳会談では、アメリカ側が直接の脅威として懸念するICBM=大陸間弾道ミサイルだけを協議するのか、それとも、日本も射程に入る中距離や短距離のミサイルについても、議題に含めるのかにも関心が集まっています。

また、「ティラーソン国務長官の突然の解任という異常状態の中で、十分な準備ができず、会談に臨んでも満足な成果を挙げられないのではないか」、「取り引きを好むトランプ大統領が成果を急ぐあまり、中身の伴わない合意を結んでしまうのではないか」との懸念の声も出ています。

さらに、仮に首脳会談が決裂した場合、対話を通じた解決の道筋が閉ざされ、軍事力の行使の可能性が高まってしまうとの指摘も出されています。

このため、米朝首脳会談に臨むトランプ政権が、同盟国の日本や韓国と緊密に連携し、万全の準備を整えられるかが、焦点となっています。