旧優生保護法のもと強制的に手術か 聴覚障害者団体が提訴検討

旧優生保護法のもと強制的に手術か 聴覚障害者団体が提訴検討
旧優生保護法のもと、福岡市の80代の男性が聴覚障害を理由に生殖機能を失わせる手術を強制的に受けさせられていた疑いがあることが、聴覚障害者団体の調査でわかりました。団体は全国規模の調査結果をまとめたうえで、国に賠償を求める集団提訴を検討しています。
福岡県聴覚障害者協会によりますと、強制的に手術を受けさせられた疑いがあることがわかったのは、福岡市東区の82歳の男性です。

男性は、およそ50年前に叔父に連れられて福岡市内の病院を訪れ、説明を受けないまま下腹部に傷が残る手術を受けましたが、その後、子どもを望んでも授からなかったということです。

聴覚障害者の団体「全日本ろうあ連盟」が各地の聴覚障害者協会とともに先月から実態調査を進めていて、福岡県内ではほかにも80代の夫婦1組が手術を受けさせられた疑いがあるということです。

ことし6月ごろまでに実態調査の結果をまとめ、年内にも国に賠償を求めて集団提訴することを検討しているということです。

全日本ろうあ連盟によりますと、旧優生保護法のもとでの強制的な手術をめぐって聴覚障害者が裁判を起こす動きが明らかになるのは初めてだということです。

福岡県聴覚障害者協会の太田陽介事務局長は「かつては手話が普及しておらず、聴覚障害者は自分の思いを伝える手段がないために泣き寝入りを続けてきた。国はせめて謝罪をしてほしい」と話しています。