男性の乳がん患者 情報共有する集い

男性の乳がん患者 情報共有する集い
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男性が乳がんを患った場合、相談できる場が少ないことから、生活や治療の情報を共有する集いが東京・文京区で開かれました。
この集いはがん患者を支援する東京のNPOが初めて開き、神奈川県と埼玉県に住む50代と60代の乳がんの男性患者3人と医師が参加しました。

患者の男性からは「男性であることを理由に乳がんの患者会への参加を断られたことがあった」とか「副作用にどう対応しているか知りたい」といった意見などが出されました。

国内の乳がんの患者のうち男性の割合は1%未満で、生活や治療について相談できる場の確保が課題になっています。

参加した60代の男性患者は「同じ乳がんの男性と初めて話をすることができ、自分も頑張ろうという気持ちになりました」と話していました。

主催したNPO「キャンサーネットジャパン」の大友明子さんは「乳がんの男性患者が安心して相談したり情報共有したりできる集いを定期的に開いていきたい」と話していました。

乳がんと診断された男性は

5年前に乳がんと診断された埼玉県川口市に住む64歳の男性は、自分が乳がんになるとは思ってもいなかったと言います。

男性は入浴中、左胸にしこりのような違和感を覚え、別の病気でかかりつけの病院を訪れた際、軽い気持ちで「これ何ですか」と尋ねました。すると、医師からは悪性の可能性があるとして、専門の病院を紹介され、受診したところステージ3Bの乳がんと診断されたということです。

この男性は「男性も乳がんになるのかと本当に驚きました。胸のしこりは脂肪の塊程度にしか思っていませんでしたが、すでに症状が進行していてショックでした」と話していました。

乳がんと診断されて5年、今は薬の服用を続けていますが、手足のしびれや乾燥、冷えなどに悩まされ、1日に何度もクリームを塗ったり、家の中でも手袋をして過ごしたりしています。

男性は薬の副作用や治療の進め方などについて相談しようと、これまで患者どうしの集まりなどにも参加しました。しかし、乳がんの患者の会に参加しているのは女性ばかりで、居づらさを感じて思うように相談ができなかったといいます。

男性は「周囲の人にも病気を打ち明けにくく、ずっと孤独を感じていました。男性は軽く考えがちだと思うが胸にしこりなどを感じたら、決して軽く考えずに病院を受診してほしい」と話しています。

医師「異常感じたら早期に受診を」

日本乳がん学会によりますと、平成27年に乳がんと診断された男性は560人で、女性も含めた乳がんの患者全体に占める割合は0.6%余りでした。

乳がんは女性の場合、毎年およそ9万人が診断される女性で最も多いがんで、患者の数は男女ともに食生活の変化などの影響から増加傾向にあるとされています。

しかし、乳がんをめぐるアメリカの最新の研究では、男性は女性に比べて自分が乳がんになるという意識が薄いため、見つかった時には、症状がより深刻になっているというデータもあります。

国立がん研究センター中央病院の下村昭彦医師は「男性は胸にしこりなどがあっても、病院を受診する人がほとんどいないのが現状です。男性の場合は胸にしこりができれば、触ってすぐに気付くケースが多いので、異常を感じたら早期に専門の病院を受診してほしい」と話しています。