今も多くの人が、お金や健康の不安を抱えていることが分かります。
負債を抱えた人のほとんどが、住まいの再建が必要になった人で、今なお返済を続けている人が多いことが分かります。
被災した人々の声
全財産をそれこそはたいて、とにかく家を建てました。長いローンの負担に耐えられるかなど考えませんでした。家が建ったとき、うれしいとか何の感慨もありませんでした。(女性・73歳)
高齢者の独居の女性にとって、家の全壊がいちばんにしんどいことでした。家を建てる資金は、銀行では、年金生活者にはローンは組んでもらえませんでした。(女性・88歳)
震災によりダブルローンの支払い負担が老後の生活設計を大きく狂わせた。この先、病気や介護の世話にならぬようにただただ健康に過ごせるように祈るのみです。(女性・100歳)
経済的には“ここ数年が最も厳しい”と感じる人も多くいます。年を取って定年になるなど、収入が減ってきていることがあるとみられます。
被災した人々の声
被災者としての気持ちは引きずっておりません。現実の今の方が生きるのに厳しいからです。この先が不安でたまりません。今の仕事がいつまでできるのか分からないからです。(女性・55歳)
「20年もたったか?」が実感。大きな借金を抱えることになったが、とにかくあれこれ心配してもしかたがない、前へ進むしかないと考えた。それらすべて若さがあってできたこと。今はとても無理。(男性・75歳)
32年ローンがあと15年残っている。主人が定年になり、収入が減り、生活が苦しい。高齢者でローンを抱えた人が多いので、国からの補助が必要だと思う。(女性・64歳)
被災した人々の声
被災に遭った人と、遭わなかった人とは、経済的にも心身の持ち方にも違いを感じました。人に言えない自分の気持ちは、一生抱えて生きなければと思います。(女性・67歳)
全壊で老後の生活の金銭を全部持ちだし、病気したときどうなるのか不安いっぱいです。(男性・80歳)
震災から1~2年後ぐらいに精神的につらくて気持ちがふさぎ込み、家族が心配して、精神科の受診を勧めてくれた。以来、途中中断したこともあったが、現在も受診している。(女性・55歳)