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3月11日のニュース

福島第一原発 半径80キロ圏の放射線量 平均約74%減少

東京電力・福島第一原子力発電所から半径80キロの地域でヘリコプターを使って行われている、地表付近の放射線量の調査について、原子力規制委員会は、去年秋に測定された値が、事故が起きた年の秋に比べて平均でおよそ74%減少したとしています。

原子力規制委員会は、福島第一原発の半径80キロの地域で、ヘリコプターを使っておよそ300メートル上空から放射線の調査を行っていて、測定された地上1メートルの1時間当たりの放射線量を9つの色に塗り分けた地図を作成しています。

それによりますと、現在とほぼ同じ測定方法になった事故から7か月後の平成23年10月の調査では、年間の被ばく線量に換算すると避難指示解除の目安となる20ミリシーベルトにあたる1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の黄色や赤の範囲が原発から北西方向に30キロを大きく超えていました。

それが6年後の去年9月の最新の調査では、30キロより外側で1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上になっている範囲は狭まり、飯舘村や浪江町の一部になっています。

規制委員会によりますと、この2つの調査結果を80キロ圏全体で比較すると放射線量は平均でおよそ74%減少したということです。

このうち63%は、時間の経過に伴って放射性物質が放射線を出さない別の物質に変化したことによるもので、残りの11%はそれ以外の要因によって起きたと推計されています。

放射線量の測定について規制委員会は、大熊町や双葉町など避難指示が出されている自治体から依頼された合わせて5つの町と村で、おととしから専用の車両などで移動式の測定を行っています。

測定の結果は、避難指示の解除や帰還の検討の参考にできるよう、航空機による調査よりも詳しい地図にして公表しているほか、自治体に提供しています。

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