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8月11日のニュース

福島第一原発 地下水排出計画を漁協容認へ

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東京電力福島第一原子力発電所の新たな汚染水対策として建屋周辺からくみ上げた地下水を浄化したうえで海に排出する計画について、福島県の漁業者で作る団体は容認する方針を固め、その条件として風評被害対策などを国と東京電力に求めました。
福島第一原発では、地下水が建屋に流れ込むなどして毎日300トンの汚染水が発生しているため、その対策として建屋の周辺にある「サブドレン」と呼ばれる井戸などから汚染された地下水をくみ上げ、浄化したうえで海に排出する計画です。
これについて福島県の漁業関係者が協議をしてきましたが、態度を決めていなかったいわき市漁協が11日までに条件つきで受け入れを決めました。これを受けて、県内の漁協で作る福島県漁連が11日、いわき市で開いた会議で容認する方針を固め、その条件としての要望をまとめた文書を国と東京電力の担当者に手渡しました。
要望には、排水にあたって厳格な運用基準を設け第三者の監視を行うことや、風評被害に対する賠償を行うことなどが盛り込まれています。サブドレンを使った地下水の海への排出は、ことし2月、汚染された雨水の海への流出を公表していなかったことで地元の東京電力への不信感が高まり、計画を実行に移すめどが立たない状態が続いていました。
福島県漁連の野崎哲会長は「汚染水対策は不可欠で苦渋の決断だった。回答を受けとった上で最終的な受け入れを判断したい」と話しています。一方、東京電力福島復興本社の新妻常正副代表は「計画を理解してもらい感謝している。要望をしっかり受け止めてなるべく早く対応したい」と話しました。
地元漁協「意見集約でき一安心」
いわき市漁業協同組合の矢吹正一組合長は「船で漁をする人だけでなく、裸で海に潜って体を張って漁をする人から不安の声も上がったが、汚染水対策は避けて通れないと考えている。意見が集約できたことは一安心している」と話しています。
また、相馬双葉漁業協同組合の佐藤弘行組合長は「汚染水対策ではこれまでたびたびトラブルが起きているので、国や東京電力に対する不信感が払拭(ふっしょく)できたわけではないが、しっかりと対策をとって復興に向けて少しずつ前進していければと思う」と話しています。
凍土壁の運用にも影響
「サブドレン」が使えるかどうかは、国と東京電力が汚染水対策の柱として建設を進めている「凍土壁」の運用に大きく影響します。福島第一原発では、地下水が建屋に流れ込むなどして毎日、300トンの汚染水が新たに発生しています。これに対して「凍土壁」は、1号機から4号機までの建屋の周囲の地盤を凍らせて全長1.5キロの氷の壁で取り囲み、地下水の流れを遮ろうというものです。しかし、地下水の水位が下がりすぎると汚染水が建屋から外に漏れ出す恐れがあるため、原子力規制委員会は、凍土壁を運用する条件として「サブドレン」を使って水位をコントロールするよう東京電力に求めています。
一方で、サブドレンを使うとくみ上げた地下水がたまり続けることになるため、国と東京電力は浄化して海に排水する計画です。これに対して地元の漁業者などからは風評被害を心配する声が上がり、さらにことし2月、汚染された雨水が排水路を通って海に流れ出していたことが明らかになって東京電力への不信感が高まり、計画を実行に移すめどが立たない状態が続いていました。

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