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2月25日のニュース

原発事故の汚染水流出 漁協組合長が批判

  • 2号機

東京電力福島第一原子力発電所2号機で、原子炉建屋の屋上にたまった汚染水が排水路を通って海に流出していた問題が明らかになったことについて、25日午前、福島県いわき市で地元の漁協の組合長会議が開かれ、組合長からは「東京電力と漁業者との信頼関係が崩れた」などの批判が相次ぎました。

この問題は、福島第一原発2号機の原子炉建屋の屋上で比較的高い濃度の汚染された雨水がたまっているのが見つかり、雨どいを通じて排水路に流れ込み、港の外の海に流れ出していたものです。
東京電力は、この排水路の放射性物質の濃度が雨のたびに、ほかよりも上がっていることを去年4月以降把握していましたが、流出を防ぐ十分な対策を取らず、公表もしていませんでした。
この問題が、いわき市で開かれている地元の漁協の組合長会議で取り上げられ、冒頭、東京電力福島復興本社の新妻常正副代表が「漁業者の皆さまに迷惑をおかけして申しわけありません」と陳謝しました。そして、東京電力の担当者が「これまで海に流れ出る場所の排水路の除染などを行っていて今回、調査結果がまとまったので公表した。排水口の水の濃度は屋上で見つかったものよりも低く、これまでのところ、周辺の海水の放射性物質の濃度に大きな変動は見られていない」などと説明しました。
これに対して組合長側からは「東京電力を信頼して汚染水問題の解決のために努力してきた漁業者を裏切った。もう信用できない」とか、「こうした隠し事が相次ぐことが風評被害を生んでいる」といった意見が相次ぎ、東京電力の対応に批判が集まりました。東京電力は調査結果を踏まえて、汚染水対策を速やかに進めていくとしています。

【福島県漁連「東電との信頼関係崩れた」】
福島県漁連の野崎哲会長は「海への汚染水の流出は、われわれ漁業者にとって非常に重要な問題であり、知らされていなかったことで、これまで廃炉のためにと協力してきた、われわれと東京電力との信頼関係が崩れたと思う。
建屋の周辺からくみ上げた地下水を浄化して海に流す計画は信頼関係があって初めて実施できることであり、今回の問題で不信感を抱いたままでは見通しは立たない。
国や東京電力には、しっかりとした対応を求めていきたい」と話していました。

【東電「情報を隠したということでない」】
会議への出席を終えて東京電力福島復興本社の新妻常正副代表は、「きちんと事実を確認して速やかに原因を究明したうえでの報告であり、対応は適切だったと思っている。
情報を隠したということでは決してない」と述べました。
一方で、「今回の排水路から海に直接流出していることへの私自身の認識が甘かった。
これまで説明してこなかったことで関係する方々に心配や迷惑をかけてしまったことに対しては深くおわび申し上げたい」と陳謝したうえで、排水路が原発の港湾内にたどり着くようルートを変えるなどの対応を取ることも検討していくとしています。

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