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3月25日のニュース

福島県漁連 「地下水バイパス」を容認

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東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水の対策として、国と東京電力が計画している汚染される前の地下水を海に放出する「地下水バイパス」について、福島県の漁業者で作る福島県漁連は容認することを決めました。
これまで反対を続けてきた地元の漁業者の理解が得られたことを受けて、国と東京電力は、準備が整いしだい実施したいとしています。
「地下水バイパス」は、増え続ける汚染水を抑えようと、建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げて海に放出するもので、1日当たり100トンの汚染水の発生を減らす効果が期待され、国と東京電力が地元の漁業者側に計画の受け入れを求めていました。
25日、福島県いわき市で開かれた福島県漁連や県内の6つの漁協の組合長などの会議では、「安全性の担保などの面で不安は残るものの、汚染水への早急な対策が必要だ」として、福島県漁連として、計画を容認する方針を決め、出席していた国と東京電力の担当者に伝えました。
受け入れにあたっての条件として福島県漁連の野崎哲会長が、東京電力以外の第三者が放出を監視できる仕組みや漁業者への賠償の継続、風評被害対策としての情報発信などを盛り込んだ要望書を提出しました。
国と東京電力の担当者は、それぞれ「しっかり応えていく」などと回答しました。
地下水バイパスを巡っては、試験的な漁を行っている、いわき市と相馬市の漁協が24日までに容認する方針を決めていました。
これまで反対を続けてきた地元の漁業者の理解が得られたことを受けて、国と東京電力は、地元の自治体などにも説明を行ったうえで、準備が整いしだい実施したいとしています。

【「容認は苦渋の決断」】
会議のあと、福島県漁連の野崎哲会長は「福島県漁業の2本柱は、試験的な漁と安定的な廃炉だ。きょうはその廃炉の一助となる責任ある回答を漁業者としてできた」と話しました。
試験的な漁を行っている相馬市の相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は「漁業者の間でも賛否両論があった。容認は苦渋の決断だ。国と東京電力はその漁業者の思いを裏切らないでほしい」と話しました。
同じく試験的な漁を行っているいわき市漁協の矢吹正一組合長は、「汚染された水がきれいな地下水に紛れて海に放出されないかと心配して反対してきた。しかし、地下水バイパスを実施できず、たまり続けた汚染水が海にあふれるようなことになれば漁業だけでなく農業にも影響が出てしまう。やむをえず容認した」と話しました。

【「国としてしっかり指導していく」】
内閣府原子力災害対策本部の糟谷敏秀汚染水特別対策監は、会議のあと、「重い決断をしていただいたと受け止めている。国としてしっかりと指導監督していく。汚染水対策は福島県の復興再生の前提だ。重層的な対策に取り組み、早くこの問題を根本的に解決していきたい」と話しました。

【「早く実施できるよう環境整えたい」】
東京電力の新妻常正常務は会議のあと、「苦渋の選択をしていただいたと受け止めている。この地下水バイパスの対策をしっかり進めていきたい。具体的な時期は示せないが、早く実施できるよう環境を整えていきたい」と話しました。

【汚染水対策の柱と位置づけ準備】
「地下水バイパス」は国と東京電力が汚染水対策の柱の1つと位置づけて準備を進めてきましたが、地元の漁業者の同意が得られず、実施できない状況が続いてきました。
福島第一原発では、山側から海に向かう地下水のうち、1日におよそ400トンが建屋などに流れ込み、メルトダウンした燃料を冷やしたあとの水と混じり、汚染水を増やしています。
このため、地下水が汚染水と混じり合う前に建屋の山側に掘った井戸でくみ上げて海に放出するのが地下水バイパスです。
建屋の山側の高台には、すでに合わせて12の井戸が掘られ、1日およそ1000トンの地下水をくみ上げる計画です。
これによって、今、1日およそ400トンのペースで増えている汚染水のうち100トン程度を減らすことができるとされています。
くみ上げられた地下水は、いったん専用のタンクにためられ、放射性物質の濃度を測定し、東京電力が設定した目標の値を下回っていることを確かめて海に放出されます。
目標の値は国の海への放出基準より低く定められています。
しかし、地下水バイパスで汚染水の問題がすべて解決するわけではありません。
汚染水をさらに減らすには、燃料の冷却で汚染水が発生している建屋を氷の壁「凍土壁」で囲い、地下水を遮断する対策や燃料が溶け落ちている格納容器の破損か所を修復するなどの対策が必要です。
東京電力は平成27年度末におよそ80万トン分の汚染水をためるタンクを確保する計画で、地下水バイパスの導入でタンクの容量に余裕を持たせるとしています。
国と東京電力は去年春から実施する方針で地元に説明してきましたが、タンクからの汚染水漏れなど問題が相次いだことから不信感が高まり、実施できない状況が続いていました。
国と東京電力は、国の基準より低く定めた目標の値や風評被害を防ぐ情報の発信などの対策を地元の漁業者などに説明し、理解を求めていました。

【地下水の状況は】
地下水バイパスで地下水をくみ上げる井戸は、1号機から4号機の原子炉建屋の山側に合わせて12か所あります。
このうち、去年8月に、およそ300トンの汚染水が漏れ出したタンクに近い8か所の井戸については、東京電力が定期的に、地下水の汚染状況を調査しています。
それによりますと、東京電力が国の海への放出基準より低く定めた目標の値を上回る濃度の放射性物質はこれまで検出されていません。
今月18日に、最も南側にある井戸で採取した地下水では、1リットル当たりのトリチウムの濃度が1200ベクレルで目標の1500ベクレルを下回っていますが、以前に比べて上昇しています。
ベータ線と呼ばれる放射線を出すストロンチウムなどの放射性物質はいずれの井戸でも計測できる値にまで達していません。
一部の井戸でトリチウムの濃度が上昇していることについて、東京電力は「現時点では、タンクからの汚染水漏れと明確に因果関係があるか分からない」としています。
地下水バイパスの実施にあたっては、「放射性物質の分析結果を速やかに公表するとともに目標の値を確実に順守したい」としています。

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