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3月8日のニュース

福島 避難区域で先行除染開始

原発事故で立ち入りが禁止されている福島県の避難区域で、今月末にも行われる区域の見直しを前に本格的な除染が道路などのインフラ設備を先行して始まり、8日、作業の様子が公開されました。
【住民の帰還に向けて】国が、直接除染を行う福島県の警戒区域と計画的避難区域は、去年から効果的な方法を探るモデル事業などが行われていましたが、今月末にも住民の早期の帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」など3つの区域に見直されるのを前に、住民の生活に欠かせないインフラ設備を先行して、本格的な除染が始まりました。
除染は、11の市町村のうち、放射線量が比較的低い楢葉町から始まっていて、8日は町役場周辺の道路の除染が公開されました。
作業は、国の委託を受けた企業の作業員が高圧洗浄機を使って行い、路面から15センチほどに噴射口を近づけて水を噴射すると、放射性物質の量は8割ほど減ったことが確認されました。
また、富岡町を通る常磐自動車道の通行止めの区間では、除染作業を前に10メートル間隔で詳しい放射線量の調査が始まり、地表から1メートルの高さで1時間当たり4マイクロシーベルトから5マイクロシーベルトの数値が計測されました。
環境省福島除染対策チームの伊藤貴輝次長補佐は、「除染を進めるスピードは遅くなってしまったが、今後は住民の方々の帰還に向けて迅速に作業を進めていきたい」と話していました。
避難区域の11の自治体のうち、楢葉町以外の6つの市町村でも除染に向けた準備が始まっていますが、地震や津波で大きな被害を受けた水道や電気などのライフラインの除染や復旧には時間がかかるうえ、住宅については避難中の住民の同意を得たうえで行うため、実際の除染作業が始まるのは夏以降になる見通しです。
【インフラ設備の復旧が課題に】避難区域は、今月末にも見直しが行われ、放射線量が比較的低い地域は、住民の早期の帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」になりますが、住民の帰宅を進めるうえでは、除染だけでなく、地震や津波で壊れたインフラ設備の復旧自体も大きな課題です。
このうち道路は、常磐自動車道以外にも各地で被害が出ており、除染が始まった楢葉町の町道だけでも、57か所、合わせて8キロの区間で路面の陥没やひび割れなどが起きています。
また、ライフラインは、被害が大きかった沿岸部を中心に復旧作業が進んでいません。
楢葉町では、上水道は被害が少なかったものの、下水道は海のすぐそばにあった処理施設の被害が大きく、復旧には2年ほどかかる見通しです。
また、電気については、被害状況の調査が先月ようやく始まりましたが、倒れた電柱の片づけや電線の整備に加え、各家庭ごとに屋内の設備の点検を行う必要があるため、復旧には数か月かかるということです。
楢葉町の青木洋建設課長は、「警戒区域に設定され中に入ることができず、ようやく復旧に向けた動きが始まったばかりだ。住民の帰還までに、すべてのインフラを元に戻すことは難しいが、できるかぎり早い復旧を目指したい」と話しています。
自治体によっては、放射線量の高い地域については除染が進まないと被害状況の調査もできないというところがあり、国は除染作業とライフラインの復旧を連動させることで、住民の帰還につなげたいとしています。

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