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12月11日のニュース

除染ガイドライン作成 環境省

原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染について、環境省は、除染に携わる自治体や市民向けに、効果的な除染の手順や除染で出た土の保管方法などをまとめたガイドラインを作成しました。
このガイドラインは、福島県の警戒区域などを除いた地域で除染を行う場合を想定して作られたもので、11日に開かれた環境省の専門家による検討会で示されました。
ガイドラインは、▽放射線量の測定方法▽除染の方法▽除染で出た土などの収集と運搬の方法、それに▽土などの保管方法の4つのパートに分かれ、図解による説明も含め164ページにわたっています。
この中では、建物、道路、土壌、草木など対象ごとの除染手順が示されています。
建物では、むやみに水を使うと放射性物質を含む水が周辺に飛び散り、汚染を広げることになるので、高圧洗浄機も落ち葉やこけなどを手で取り除いた後に使うことで、できるだけ水の量を少なくしたり、排水はバケツで回収したりすることが望ましいとしています。
一方、除染で出た土の保管については、土の濃度や量ごとに適した保管容器の種類や住民の居住地域から隔離すべき距離が示されています。
このうち、住宅の除染で出る4立方メートルほどの土を庭などで保管する際には、土のう袋に入れて防水シートで覆いをしたうえで、家屋から1メートル以上隔離することや、2万立方メートルほどの大量の土を地域で保管する際には、住宅から4メートル以上離れた場所に仮置き場を作り、大気中や地下水の放射線量を定期的に測定することで、安全を確保する必要があるとしています。
環境省は「具体的な仮置き場のイメージを示すことで、難航している仮置き場の確保が前進するきっかけになってほしい」と話しています。
このガイドライン案は、今週水曜日にも公表される見通しで、環境省は東北や関東の自治体を対象に説明会を開き、理解を求めていくことにしています。

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