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6月20日のニュース

東電 “数日中に浄化再開を”

東京電力福島第一原子力発電所で、高濃度の汚染水を浄化する設備の放射線量が急激に上がって停止した問題で、東京電力は、汚染水自体の放射性物質の濃度が予想以上に高かったものとみて、放射性物質などを取り除く性能の異なる複数の装置を組み合わせて実験を続けたうえで対策をまとめ、ここ数日のうちに本格運転を再開させたいとしています。
福島第一原発では、施設内にたまり続けている高濃度の汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備が17日に本格的な運転を始めましたが、「吸着塔」という装置の周辺で放射線量が急激に上がり、僅か5時間ほどで停止しました。
この原因を調べるため、東京電力が、19日夜、放射性物質などを取り除く性能の異なる3種類の吸着塔に汚染水を流して比較したところ、放射性物質を取り込む性能がないものからも1時間当たり11.5ミリシーベルトという高い放射線量が検出されました。
このため、東京電力では、放射線量が急激に上がった原因は、汚染水自体の放射性物質の濃度が予想以上に高かったためと考えられるとしています。
その一方で、当初から取りつけられていたタイプの吸着塔では、高濃度の汚染水を抜いたあとも放射線量が高い状態が続き、想定よりも多くの放射性物質を取り込んでいたことも分かったということです。
この結果を受けて、東京電力では、20日の日中から夜にかけて、性能の異なる複数の吸着塔を組み合わせて実験を続け、放射線量が急激に上がらない組み合わせを探るとともに、汚染水の流量を予定よりも減らしたり、吸着塔を交換する頻度を設定し直したりするなどの対策を検討し、ここ数日のうちに本格運転を再開させたいとしています。

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