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5月18日のニュース

工程表 循環式の冷却を優先に

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東京電力が17日に発表した福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた工程表の見直しでは、最も重要な課題の原子炉の冷却について、格納容器を水で満たす「冠水措置」を事実上見送り、高濃度の汚染水を処理して再び原子炉に戻す循環式の冷却を優先するという内容になっています。
東京電力は、先月発表した工程表の中で、おおむね3か月をめどとする「ステップ1」で示した原子炉を安定的に冷却する方法として、第一に格納容器ごと水で満たす「冠水措置」を挙げていました。
ところが、先週になって、1号機の水位計が回復し、測り直した結果、原子炉の水が極端に少ないことが分かり、核燃料が溶け落ちるいわゆるメルトダウンが起きていたとみられることが分かりました。
これによって原子炉の底に開いた穴や、格納容器から大量の水漏れが起きていることが確実になり、「冠水措置」は、事実上、難しくなっています。
これを受けて東京電力は、17日に発表した新たな工程表で、原子炉を冷却やす方法として、高濃度の汚染水を1か所に集めて放射性物質を減らす処理をし、再び原子炉に戻すという「循環式の冷却」を優先することになりました。
併せて、原子炉の温度がかなり下がってきているとして、冠水措置と並んで準備を進めてきた「熱交換器」で水の温度を下げるという方法も優先して作業を進めないとしています。
循環式の冷却については、現在、敷地内に汚染水を処理する施設を設置する準備を進めていて、来月にも動かしたいとしています。
東京電力では、2号機と3号機についても、1号機と同じようにメルトダウンが起きている可能性があるとして、循環式の冷却を優先する方針で、7月中に安定的な冷却の実現を目指すとしています。

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