東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

5月17日のニュース

一部の冷却装置 十分機能せず

東京電力の福島第一原子力発電所では、1号機で非常用の冷却装置が手動で止められたり、バッテリーが水没して起動しなかったりして一部の冷却装置が十分に機能を果たせていなかったことが分かり、東京電力は、燃料の損傷にどの程度の影響を与えたのか分析を進めています。
東京電力は16日、3月11日に地震が起きてから津波が到達して電源を喪失するまでの福島第一原発の運転状況を示す記録を公表しました。
このうち1号機では、地震で緊急停止したあと午後2時52分に「非常用復水器」と呼ばれる冷却装置が起動しましたが、およそ10分後の午後3時ごろに停止し、津波が到達したあとの午後6時すぎに再起動されるまで3時間にわたって止まっていました。
東京電力は、原子炉の圧力が急激に下がったために、運転員が原子炉の損傷を避けようとして手動で停止させた可能性があるとしています。
さらに1号機と2号機では、「高圧注水系」と呼ばれる別の冷却装置も、津波の影響でバッテリーが水没するなどして起動していませんでした。
「非常用復水器」や「高圧注水系」は、すべての外部電源が失われても原子炉を冷やすことができるとされていましたが、記録からは一部の冷却装置が十分に役割を果たせていなかったことが明らかになりました。
東京電力は、燃料の損傷にどの程度の影響を与えたのか分析を進めています。

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