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5月15日のニュース

事故収束への作業遅れ不可避

  • 1号機

核燃料が溶け落ちる、いわゆる「メルトダウン」が起きていたとみられる東京電力の福島第一原子力発電所1号機で、原子炉建屋の地下から大量の水が見つかったことを受け、東京電力は「冠水措置」の見直しを検討するなど、事故の収束に向けた作業の遅れが避けられない状況となっています。
福島第一原発の1号機では、原子炉建屋の地下に大量の水がたまっているのが見つかり、東京電力は、水の量は推定でおよそ3000トンとしたうえで、燃料が溶けて落ちる「メルトダウン」が起きて原子炉に穴が開き、さらに格納容器も損傷して漏れ出した高濃度の汚染水が流れ込んだとみています。
これまで1号機では、格納容器を水で満たす「冠水措置」を行うとともに、この水を格納容器から熱交換器に引き込んで冷やし、原子炉の中に戻す循環型の冷却システムをつくる計画でした。
東京電力は、原子炉建屋の地下から大量の水が見つかったことは、作業が遅れる要因の一つになるとしたうえで、格納容器からではなく地下にたまった水を引き、放射性物質を取り除いて原子炉に戻す方式に変更することも検討することにしています。
さらに、1号機の原子炉建屋では1時間当たり2000ミリシーベルトという極めて高いレベルの放射線が新たに検出されていて、今月17日に予定されている工程表の見直しを前に、事故の収束に向けた作業の遅れが避けられない状況となっています。

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