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5月12日のニュース

1号機“工程表見直し必要”

東京電力福島第一原子力発電所1号機は、原子炉の水位が極端に低くなっていることが分かり、東京電力は、原子炉に穴が開いて大量の水が漏れ出しているとみられることを明らかにしました。
原子炉の温度は100度から120度に保たれているとして、東京電力は、燃料はある程度、冷却できているとしていますが、事故の収束に向けた工程表の見直しが必要だという見方を示しました。
福島第一原発1号機では、原子炉を冷やすため、連日、水の注入が続けられていますが、大量の水を入れても原子炉の水位が上がらないため、東京電力は事故で水位が正しく測れなくなっている可能性があるとしていました。
このため、作業員が原子炉建屋に入って水位計を調整する作業を行い、正確に測り直した結果、12日午前5時の時点で、原子炉の水位は、本来、核燃料がある最も下の位置よりも1メートル以上低くなっていることが分かりました。
1号機の原子炉には1日およそ150トンの水が注入されていますが、水位が上がっていないことから、東京電力は、原子炉に穴が開いて格納容器側に大量の水が漏れ出しているとみています。
しかし、圧力などから推定される格納容器の水の量は、原子炉から漏れ出た量よりも少ないとみられるということで、東京電力では、格納容器からも原子炉建屋などに水が漏れ出ているという見方を示しました。
東京電力によりますと、原子炉の下側の表面温度は100度から120度程度に保たれていることから、燃料は本来の位置よりも下にずれた状態で、水につかるなどして冷却ができているとみています。
核燃料の状態について、東京電力は「燃料が完全に溶けて原子炉の底が抜け、下に流れていくような状態ではなく、原子炉の中にとどまって冷やされているのではないか」と話しています。
1号機は、事故の収束に向けた工程表の中でも重要な「原子炉の冷却」について、最も作業が進んでいて、格納容器を水で満たす「冠水措置」を進めるため、注水量を増やすなど作業を本格化させていました。
しかし、原子炉から大量に水が漏れ出ているとみられることが分かったことで、工程表の見直しは避けられない情勢で、東京電力は「冠水措置の作業のやり方の見直しは必要で、17日の工程表の見直しで示したい」と話しています。

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