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5月4日のニュース

1号機 作業員原子炉建屋内へ

東京電力福島第一原子力発電所1号機では、5日にも3月の水素爆発以来初めて原子炉建屋の中に作業員が入る予定です。
原子炉の冷却の回復に向けて欠かせない作業で、東京電力では、早ければ今月中旬から原子炉の水を循環させるシステムの工事も建屋内で始めることを明らかにし、原子炉の安定的な冷却の実現を急ぎたいとしています。
福島第一原発1号機では、原子炉を冷却する一環として、格納容器を水で満たす方針で、必要な作業を行うため、5日にも3月の水素爆発以来初めて作業員が原子炉建屋の中に入ります。
作業は、放射性物質で汚れている建屋内の空気を浄化する装置の設置で、4日は建屋内からの放射性物質の漏えいを防ぐ特殊なテントの組み立てのほか、放射性物質を取り除く排風機と呼ばれる装置の取り付けが行われました。
また、被ばく量を抑えるための訓練も行われ、作業員たちは重さ13キロほどある消防用のボンベなどを着けて、動作の確認などをしたということです。
一方、本格的な冷却にとって欠かせない原子炉の水を循環させて熱交換するシステムについて、東京電力は4日、具体的な計画を発表しました。
それによりますと、計画では、現在、水素爆発を防ぐために窒素注入している配管を使って格納容器から水を取り出し、仮設の熱交換器を通したうえで、非常用の配管を通じて原子炉に戻すということです。
熱交換器は、原子炉建屋の大物搬入口付近に設置し、温まった水は建屋の外に造る空気を使って冷やす冷却塔を使って熱を取り除くということです。
東京電力によりますと、システムの設置は原子炉建屋内での作業が多く、5日にも行われる建屋内の空気を浄化するための作業がまずは重要になるということです。
さらに、配管や弁が壊れていないか確認が必要で、早ければ今月8日にも建屋内に作業員が入り、目視で点検するということで、順調に進めば今月16日にも原子炉建屋内での工事を始めるとしています。
しかし、点検できる範囲は限られるため、配管が使えるかどうかは実際に動かしてみないと分からないということで、不確定な要素も多く、システムの設置がいつ終わるか現時点で見通しは立っていないとしています。
記者会見した東京電力原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「1号機の冷却状況から考えると、循環システムができれば、数時間か最大でも数日で100度以下の冷温停止状態にできると考えている」と話しました。
また、統合本部の事務局長の細野総理大臣補佐官は「このシステムがどのくらいの時間でできるかが、工程表のステップ1の大きな目標だ。
1号機についてはできるかぎり前倒しで行い、そのことが2号機、3号機にもつながると思う」と話しました。

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