東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

5月3日のニュース

一時帰宅 予行演習で課題検証

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、立ち入り禁止となっている原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」の住民の一時帰宅に向けて、政府や福島県内の関係する市町村の職員などが、一時帰宅の課題を検証する予行演習が、3日、行われました。
福島第一原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」の住民の一時帰宅について、政府は半径3キロ以内を除いて認める方針を示しています。
3日の予行演習は、一時帰宅の課題を検証するため行われたもので、政府や関係する8つの市町村の職員などおよそ50人が参加しました。
職員らは、まず警戒区域の手前の川内村の村民体育センターで、防護服などを着用したうえで、バスで原発から4キロ余りの大熊町役場や周辺の地域に向かいました。
演習はおよそ2時間行われ、一部の職員を「住民」に見立て、住民が必要最小限の家財を取りに行く時間があるかや、無線などの通信手段が使えるか、さらに、放射線量の状況などについて検証が行われました。
演習を終えた職員らは、体や荷物に放射性物質が付着していないかスクリーニングを行いましたが、放射性物質を取り除く「除染」が必要な人はいなかったということです。
演習に参加した職員からは、「防護服や手袋などで全身を覆った状態での作業の負担が大きいと感じた」とか、「高齢の住民などが熱中症になる危険もあるのではないか」といった意見が出ていました。
政府の現地対策本部の上田英志担当審議官は、「特に大きなトラブルもなく、通信状況も無線に関しては問題がなかった」と話していました。
政府は、3日の予行演習を受けて、一時帰宅の方法や時期について、関係する市町村と改めて協議することにしています。

5月3日のニュース一覧