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4月29日のニュース

汚染水の移送能力 2号機で倍増へ

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東京電力福島第一原子力発電所では、高濃度の放射性物質に汚染された水が冷却機能を復旧する作業の妨げになっていますが、このうち2号機で、汚染水を別の場所に移送する能力を倍増させることになり、29日朝から作業をいったん打ち切って、移送先の施設に問題が出ていないか確認する作業が進められています。
福島第一原発の2号機では、「トレンチ」と呼ばれるトンネルにたまった汚染水を集中廃棄物処理施設へ移送する作業が進められていて、水位は29日午前11時の段階で地面から89センチと、移送を始める前より9センチ下がっています。
東京電力は、この汚染水をくみ出す能力を倍増させるため、30日にも、ポンプの数をこれまでの1台から2台へと増やすことになりました。
それを前に、東京電力は29日午前9時すぎに作業をいったん打ち切って、汚染水を移送する先の集中廃棄物処理施設に問題が出ていないか確認する作業を進めています。
さらに、3号機のトレンチでも、29日午前11時の段階で地面からの水位が93センチと、この1週間で10センチ余り上がっているため、東京電力では近く、3号機からも汚染水を移送するためのホースを設置することにしています。
一方、1号機では、格納容器を燃料の高さまで水で満たして原子炉を冷却できるか調べるため、注水の量を1時間当たり6トンから10トンに試験的に増やして、問題が起きないかを調べる作業が進められてきましたが、29日午前11時の時点で原子炉の上部の温度は114.7度と、注水量を増やす前の時点より17.3度下がり、格納容器の中の圧力も1.05気圧と、0.51気圧下がりました。
圧力が1気圧を下回ると、格納容器の外部から酸素が入り込み、水素と反応して爆発が起きることが心配されることなどから、東京電力は29日午前10時すぎに、注水の量を元の1時間当たり6トンに引き下げました。
東京電力はこのあと、無線操縦のロボットを原子炉建屋の中に入れて問題が起きていないか調査しましたが、格納容器からの水漏れなどは確認されなかったということで、圧力や温度などのデータを分析したうえで、今後の注水の方針を決めることにしています。

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