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4月24日のニュース

国産ロボット 作業に向け準備

東京電力福島第一原子力発電所では17日にアメリカ製のロボットが放射線量が高い原子炉建屋内部の撮影などを行いましたが、原発での作業に向けて準備を進めている日本製のロボットが24日に公開されました。
このロボットは、撮影などのほかに、がれきが散乱する建物内部の状況を立体的な映像に表す機能も持っていて、今後の活用が期待されています。
このロボットは、災害現場で使うため、千葉工業大学や東北大学などの研究グループが開発したもので、福島第一原発での作業に向けて最終的な準備を進めている千葉県習志野市の千葉工業大学で公開されました。
ロボットは、幅20センチ余りの2本の走行用ベルトなどで地面をはうように移動しながら、高さ1メートルの垂直に伸びた棒の上に取り付けられたカメラや線量計で、撮影や測定をしていきます。
また、がれきの上や階段を自由に移動できるほか、ケーブルで動くロボットと無線で動くロボットの2台を組み合わせて、電波が届きにくい原子炉建屋の地下や2階以上での作業を目指しています。
さらに、このロボットは、レーザー光を発しながらその跳ね返りを捉えたうえで、立体的な映像に表す機能を持っていて、平面的な映像だけでは分からない、がれきが散乱したり大きく壊れたりした状況を把握できるということです。
ロボットに使われている半導体などの電子部品は、高い放射線量で劣化するため、つくば市の研究所でこのロボットの耐久性を調べた結果、今回の現場で作業員の限度量となっている放射線量の400倍でも、故障しないことが確認されたということです。
千葉工業大学、未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長は「開発したロボットは操作性や運動能力では世界トップクラスだ。現場の状況がさらに分かれば、それに適応した改良ができる」と話しています。
東京電力などによりますと、このロボットの現場への投入は最終的に検討している段階で、東京電力の社員が操作方法を確認するなどの準備を進めているということです。

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