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4月9日のニュース

汚染水の水位上昇 監視強める

  • 1号機
  • 2号機

東京電力福島第一原子力発電所では、作業の妨げになっている高濃度の放射性物質に汚染された水を取り除く作業を急いでいます。
このうち、2号機では「トレンチ」と呼ばれるトンネルにたまった高濃度の汚染水の水位が海への流出が止まって以降、これまでに10センチ上昇しており、東京電力は監視を強めています。
東京電力の福島第一原発では、7日夜の地震で設備などに異常はなく、引き続き冷却機能の回復に向けた作業が進められています。
東京電力によりますと、作業の妨げになっている汚染水の処理を巡っては、まず2号機のタービン建屋地下にたまっている高濃度の汚染水を最初に排出するということで、「復水器」の水を取り除く作業が終わりしだい「復水器」や「廃棄物集中処理施設」に移す作業を始めるということです。
また、2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルにたまった高濃度の汚染水の水位が8日夜から9日朝にかけて、さらに1センチ上昇し、海への流出が止まって以降、上昇した水位は10センチとなりました。
トレンチの水の水面から地上までの高さは、9日午前7時の時点で94センチあるということで、すぐにあふれるような状況ではありませんが、東京電力は水位の監視を強めるとともに、汚染水がどこから漏れ出ているのか漏えい経路の特定を急いでいます。
また、「廃棄物集中処理施設」から比較的濃度の低い汚染水を海に放出する作業は9日も継続して行われており、これまでに7700トン分が放出され、残る800トン分について、順調にいけば9日中に放出を終えるとしています。
一方、水素爆発の危険をあらかじめ避けるため、1号機の格納容器に窒素ガスを注入する作業では、ガスの純度をこれまでの98%から99.98%に高めて、窒素ガスを通じて水素や酸素が入るのを抑え、爆発のリスクを下げるとしています。
1号機では、地震の前の7日午後7時に223.3度だった原子炉の表面温度が、地震直後に一時、40度近く上昇しましたが、9日午前6時の時点では240.5度まで下がっています。

温度が上がった原因は、今のところよく分かっておらず、東京電力は注意深く監視しながら窒素ガスの注入を続けることにしています。
さらに10日以降、赤外線カメラなどを搭載した無人の小型ヘリコプターを使って、これまで確認できなかった設備などの状況を撮影し、今後の作業工程の検討に役立てたいとしています。

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