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4月7日のニュース

屋内退避圏 住民の8割自宅に

屋内退避の対象地域となっている福島第一原子力発電所の半径20キロから30キロの範囲には、現在も2万人以上が生活しているとみられていますが、NHKがこの地域で暮らしている南相馬市の住民およそ100人にアンケートを行ったところ、80%の人が、いったんは避難したものの、避難生活の疲れなどを理由に再び自宅に戻っていたことが分かりました。
福島第一原子力発電所の半径20キロから30キロの範囲では、屋内退避や自主避難の対象地域となっていますが、現在も、南相馬市を中心に合わせて8つの市町村で2万人以上の人が生活しています。
NHKは今月2日と3日、それに7日の3日間、この地域で暮らしている南相馬市の住民103人を対象にアンケートを実施しました。
その結果、80%の人が、震災のあと、いったんは避難したものの、再び対象地域にある自宅に戻っていたことが分かりました。
その理由を複数回答で尋ねたところ、▽「避難生活に疲れた」が32%、▽「仕事」が28%、▽「空き巣への心配」が14%と続きました。
南相馬市が、福島県内のほかの場所と比べて放射線量が低いことを理由に挙げる人も多かったほか、対象地域に住んでいて行方が分からなくなっている家族を探しにきた人もいました。
また、原発事故の影響で最も心配なことについて尋ねたところ、▽仕事や収入が40%と最も高く、次いで▽健康被害が34%でした。
さらに、政府による屋内退避の指示や自主避難の呼びかけが適切かどうか尋ねたところ、▽22%が「適切だ」、▽72%が「不適切だ」と回答しました。
「不適切だ」と考える理由について尋ねたところ、「ほかの地域よりも放射線量が低い」という意見が目立つ一方、「仕事や介護などのため避難が難しい人も多いのに、自主避難の判断を住民に委ねる対応は政府の責任逃れだ」という指摘も多くありました。
また、原発事故に関して、政府に最も伝えてほしい情報は何かを尋ねたところ、▽事故の収束時期の見通しが30%、▽事故が拡大した場合に想定される事態が22%、▽健康への影響が17%、▽詳しい放射線量が15%と続きました。
今回のアンケート結果について、東京女子大学の元教授で災害心理学が専門の広瀬弘忠さんは「台風などで避難指示や避難勧告が出ても50%以上が避難することはまれで、80%以上が一時的に避難したことは、住民の原子力災害への恐怖や不安を表していると思う」と分析しています。
そのうえで、「災害の渦中にもかかわらず再び戻るということは、結局、避難していないのと同じことで、自主避難というあいまいな対応が逆に危険を作っている。避難すべきなのか、しなくてもいいのか、行政ははっきりとメッセージとして伝えるべきだ」と指摘しました。
また、政府に最も伝えてほしい情報として「事故の収束の見通し」や「事故が拡大した場合に想定される事態」という回答が多かったことについて、広瀬さんは「住民は、最悪の想定を知ったうえで、その場合でも政府が安全を図るための最大限の努力をしているという保障を欲しがっている。パニックを起こさないようになるべく危険なことを言わないというのは、むしろ不安感や不信感を増殖しかねない。政府はきちんとした情報を出して、それに対して十分対応できるという根拠を示すことが重要だ」と指摘しました。

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