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3月30日のニュース

放射性物質 調査を沖合に拡大

福島第一原子力発電所周辺の海水から、国の基準の3355倍に当たる放射性のヨウ素131が検出されたことが分かりました。
原発周辺で採取した海水の中ではこれまでで最も高い値で、東京電力は、福島第一原発から放射性物質に汚染された水の流出が続いているとみて、経路を調べるとともに、調査の範囲を沖合まで広げることにしています。
東京電力の調査によりますと、福島第一原子力発電所の1号機から4号機の水を流す「放水口」の南330メートルの地点で、29日午前8時20分に採取した海水から、法律で定められた基準値の2572.5倍に当たる、1cc当たり100ベクレルのヨウ素131が検出されたのに続き、29日午後1時55分には、これまでで最も高い、基準値の3355倍に当たる、1cc当たり130ベクレルのヨウ素131が検出されました。
また、この地点からおよそ1.6キロ北にある、福島第一原発の5号機と6号機の水を流す放水口の北50メートルの地点では、29日午後2時10分に採取された海水から、国の基準の1262.5倍に当たる、1cc当たり51ベクレルのヨウ素131が検出されました。
この濃度も、この地点としてはこれまでで最も高い値です。
これについて、東京電力は、福島第一原発から放射性物質に汚染された水の流出が続いているとみて、経路を調べるとともに、海水の調査も範囲を沖合まで広げることにしています。
30日午前の記者会見で、原子力安全・保安院は、「原発から半径20キロの範囲は避難指示が出されているうえ、今後、海流で拡散するため、海産物を通して人が摂取するまでに相当薄まると考えられるが、汚染された水が海に流れ込むことは避けなければならない」と述べ、流出経路を特定し、対応を検討する考えを示しました。

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