東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

3月30日のニュース

現場責任者 復旧作業実態語る

深刻な状態が続く福島第一原子力発電所の中で復旧作業の方針を決めている東京電力の現場責任者の1人が初めてNHKの電話インタビューに答え、強い放射線による厳しい復旧作業の実態を語るとともに、作業の長期化で、今後、作業員の確保が難しくなるという見通しを示しました。
福島第一原発では、冷却機能を失った原子炉に水を注入する作業や、高濃度の放射性物質を含む水を抜く作業などが、協力企業も含めて400人余りの態勢で続けられています。
この活動の中心となるのが、爆発が起きた1号機からおよそ300メートルの所にある「緊急時対策室」で、ここで東京電力本店と連絡を取りながら現場全体の作業方針を決めている責任者の1人、角田桂一さんが、29日夜、NHKの電話インタビューに答えました。
この中で角田さんは「体についた放射性物質を洗い流す除染が必要な場合もあるほど、施設の中は放射線量が大きい」と述べ、放射線が最大の妨げになっている現状を語りました。
さらに、高濃度の放射性物質を含む汚染された水が見つかるなど、次々と新たな事態が生じるなか、地震の影響で通信設備がダメージを受けているために情報伝達にも支障を来していることを明らかにしました。
そのうえで、復旧作業の長期化が心配されるなか、「被ばく量が多くなって作業ができなくなる人が出てくれば、人の手配などの苦労が出てくると思う」と述べ、今後、作業員の確保が課題になってくるという考えを示しました。

3月30日のニュース一覧