使われていない壁面でアートをビジネスに!

街なかにある使われていない壁面などにアートを取り入れ、ビジネスを生み出す取り組みが注目されています。

アートで広告 依頼主とアーティストをマッチング

大阪・此花区の建物で、壁いっぱいに「ミューラル」(=壁画)を描く作業が行われていました。建物の所有者の許可を得てアート作品を描いています。

制作をとりしきる会社「ウォール シェア」の川添孝信さんは、海外のアーティストにも呼びかけ、独自の作品を描いてもらっています。此花区の建物の壁でミューラルを描いていたアメリカ人のミューラル・アーティストのローレンYSさんは「日本でミューラルを描きたい人はたくさんいる。感謝している」と話します。

川添さんの会社は製品などをPRしたい企業などから依頼が来ると、ミューラルを手がけるアーティストとマッチングします。さらに建物の所有者にも交渉を行います。

会社が広告主から制作費を受け取り、この中からアーティストへの報酬と、壁の使用料を支払うビジネスモデルです。

「ミューラル」の制作をとりしきる会社 川添孝信さん
「誰もが気軽にアートに触れるきっかけをつくり続けていきたいと思っていて、ビジネスという方法・手段を用いて継続的なものにしていくことが大切だと思う」

SNSなどで拡散

川添さんたちが2022年11月に制作したミューラルが、東京・渋谷区にあります。制作を依頼したのはイヤホンなどを販売する日本の音響機器メーカー「プレシードジャパン」です。

アート性の高さなどからSNSなどで拡散され、依頼したメーカーも予想以上の反響に驚いたといいます。

依頼したメーカー 土山裕和 社長
「このミューラルを見て初めて弊社のブランドを知った人、SNSを見たりとか、新しい顧客層を獲得できたと思うし、また活用したい」

工事現場でアート購入? 障害ある画家の収入源に

工事現場の囲いにも、アートをビジネスに活用する取り組みがあります。東京・港区の工事現場の囲いには、7人の画家の作品を、建設会社の積水ハウスが使用料を払って展示しています。

建設会社 小谷美樹さん
「工事現場で殺風景なよりも、こういったアートで飾ることで(環境改善に)貢献できているのではないか」

この絵画を貸し出している岩手県のベンチャー企業「ヘラルボニー」は、知的障害などがあるアーティスト約150人と契約しています。作品の使用料の一部はアーティストに支払われます。

さらに作品をその場で購入してもらえるよう、QRコードもつけました。

アーティストの1人で知的障害と自閉症のある画家の伊賀敢男留さんは、作品を展示する機会が増えて、安定した収入を得られるようになったといいます。母親の祥子さんは「本人の収入というものは親も考えたことがなかった。ありがたいと思っている」と話します。

絵画を貸し出しているベンチャー企業 泉雄太さん
「支援・貢献ではなくて、ビジネスとして取り組むことで、それぞれの違いを肯定できるような社会をつくっていきたいと思っている」

外装などに広がる「ミューラル」

企業の広告以外のミューラルもあります。大阪・浪速区では、すし店から依頼されて店の外装をミューラルにしたり、大阪・富田林市ではまちを活性化しようと、自治体からの依頼で描かれたミューラルが公園を彩ったりしているそうです。

【2023年4月24日放送】
あわせて読みたい