アメリカ発エコ・シュリンプ 植物由来の素材でつくったエビも

  • 国際経済

身近な食材のエビ。アメリカでもシュリンプカクテルや前菜、パスタなどさまざまな料理に使われ人気の食材です。

多くは輸入に頼っていて、主な生産現場の1つが東南アジアです。ただ中には、大量にエビを生産しようとしてエサが過剰になり水質が悪化するなど、さまざまな問題が起きています。そこで環境にやさしい“エコなエビ”をアメリカ国内でつくろうという動きが広がっています。

1人あたりエビ消費量 世界トップのアメリカ

ニューヨークのシーフードレストラン。アメリカは1人あたりのエビの消費量が世界トップで、レストランではさまざまな料理にエビが使われています。

来店客は「エビ大好き」、「揚げても焼いてもおいしいし、いろいろな食べ方ができる」と話していました。

コンテナでエビ養殖 「アジアに負けない競争力を」

海に面していない中西部インディアナ州のインディアナポリスでは、「アタラヤ」という会社が、環境への影響を抑えてエビを生産しようと動き出しています。

現場を訪ねると、「シュリンプボックス」という名前のコンテナが並んでいました。このコンテナの中でエビが養殖されています。

中の水は海水に近い環境です。塩分や酸素濃度などを測定しながら水中に発生する微生物を管理し、この微生物の力で水をきれいにして、コンテナの中で循環させます。

コンテナで養殖したエビ

将来的には、エビの大きさに合わせて自動でエサを与えるシステムを実現しようとしています。

コンテナでエビを養殖する会社 ラファエル・モヘレスCOO
「操作する人が行うのは、容器にエサを入れたりフィルターを掃除したりとシンプルな作業になる」

コンテナの内部は上下2段になっていて、駐車場など限られた土地でも多くのエビを養殖できるといいます。例えばレストランチェーンのオーナーがエビを育てることもできるということです。

この会社は2023年春までに、コンテナの数を現在の4台から20台に増やし生産能力を高める予定です。

コンテナでエビを養殖する会社 モヘレスCOO
「私たちはプロセスを自動化している。2025年までにアジアから輸入したエビに負けないような競争力をつけることが目標」

コンテナでのエビの養殖について、専門家は次のように話しています。

国際農林水産業研究センター 水産領域 筒井功 主任研究員
「水質を汚さず環境にやさしい一方、電気を大量に使いコストがかかる課題もある」

100%植物由来の“エコなエビ”に「商機」

ベジタリアンやビーガンの人も食べられる“エコなエビ”の需要も高まっています。そうした中、100%植物由来だというエビが登場しました。こんにゃくなどが原料だといいます。

植物由来の“エビ”

ニューヨークのビーガンレストランを訪ねて食べてみると、風味と食感がエビに似ていて弾力がありました。このレストランでは揚げ物やパスタに使われています。

ビーガンレストランのオーナー ジャニーヌ・スモールズさん
「植物エビを使ったパスタは、とても人気がある」

こうした動きに商機を見いだし、植物由来のエビを製造するメーカーも登場しています。「ザ・プラント・ベースド・シーフード」は原料に海藻の成分やデンプンを使い、パプリカで赤い色味をつけています。

植物由来のエビを製造するメーカー シェリー・ヴァンクリーブさん
「アメリカでは消費するためのエビを十分に生産できていない。これは世界的な課題。植物性のエビは、高まるエビ需要に対していくらか供給できる手段となりうる」

環境を守りながら、いかにおいしいエビを安く生産するか、模索が続きそうです。

(国際部 大石真由)
【2022年12月1日放送】
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