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あと半年、平成駆け込み婚~若者たちがこだわるワケ

平成も残すところ、あと半年。
そんな中、20代30代の間で「平成のうちに結婚したい」という機運が、にわかに高まっているという情報が。
調べてみると、確かに駆け込み需要を取り込もうというビジネスが盛況です。「平成駆け込み婚」とも呼べるこの現象、底流には“平成ならでは”の時代感覚がありそうです。(経済部記者・寺田麻美)

20代女子、平成のうちに結婚したい!

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東京・港区にあるウエディングドレスの試着室。10月下旬、ここに姿を見せたのは、平成生まれの勝部栞さん、28歳。婚約者とともに、結婚式で着るドレス選びにやってきました。

挙式は、平成が終わる間際の来年4月27日。
まさに平成の終わりを意識して、日取りを決めました。

ことし4月にプロポーズを受けてすぐに、平成のうちに挙式したいと持ちかけたそうです。

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「せっかくなら平成のうちに結婚したいなと。学生時代を過ごしてきてたくさんの思い出があるし、会社に入った時は先輩たちに『平成生まれか~!』と言われてきた世代で、すごく思い入れがある。新年号よりは、締めくくりとして結婚という形で平成を終わらせたい」(勝部さん)

一方、婚約者の山口和洋さんは、昭和生まれの32歳。当初はそんなにこだわること?と思ったそうですが…。

「自分は、あまり意識していなかったが、話をしていくうちにいいきっかけだなと思った。自分は昭和生まれだが、物心がついてきた時はすでに平成で、平成を生きてきた感じがある。平成の最後に式を挙げて、新しい年号とともに新生活がスタートするわけで、いい区切りになる」(山口さん)

平成駆け込み婚を狙え

こうしたニーズに応えようと、ブライダル業界も動いています。

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横浜市内のホテルでは、その名も「平成かけこみプラン」を用意。挙式と披露宴のほかに、平成元年開通のベイブリッジを眺めるクルージングのチケット、それに前撮りの写真撮影が平成最後の年にちなみ31%オフになる特典がついています。

お得感もあって、ことし7月から10月までで申込件数は28組と、想定を上回る反響だとしています。

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横浜ベイホテル東急の広瀬加奈さんは「平成の間に出会ってデートを重ね、結婚が決まったというカップル向けに、このプランを作った。問い合わせが多く、平成のうちに結婚式をしたいというお客様が増えていると感じる」と話していました。

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また、港区の結婚式場では、来年4月までに式を挙げるカップルを対象に、衣装代など最大で80万円相当を割り引くプランを用意しています。

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式場を運営するエスクリの佐々野崇さんは「予約は昨年を上回る状態で推移している。平成最後の限られた期間に式を挙げたいと、プレミアム感を感じて頂けているのではないか」としています。

駆け込み婚を読み解くと?

なぜ、駆け込み婚なのか?。

恋愛・結婚事情に詳しいマーケティングライターの牛窪恵さんは、平成生まれが結婚適齢期になりつつあるのと平成の終わりが重なるということだけでなく、この世代ならではの感覚が底流にあると指摘します。

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キーワードは2つ、「逆算婚」と「三平」です。

「逆算婚」とは、将来のキャリア設計から逆算して結婚を決めること。働く女性が増える中、早めに結婚して出産し仕事に復帰したほうがコスパ=コストパフォーマンスがよいという考えです。
自分の親も元気なうちに子育てを手伝ってもらえれば、仕事にも復帰しやすく、結果としてキャリアにもプラスになる、というもの。
大学でキャリア教育が盛んになっていることも影響しているとしています。

一方、「三平」は、女性が結婚相手に求める条件のことで、平凡な見た目・平均的な年収・平穏な性格のことだそうです。
バブル期にもてはやされた「三高」=高身長・高収入・高学歴とは全く考え方が違います。デフレや低成長の中で共働き世帯が主流となった平成を過ごしてきた世代は、結婚後も働き続けることを前提に、家事や育児を分担しながら穏やかに暮らせる相手を求める傾向が強く、早めの結婚につながりやすいとしています。

「前もって元号が変わることがアナウンスされていて、祝賀ムードがあることも要因。時代が変わることをポジティブにとらえようという機運が出ている」(牛窪さん)

平成世代の感覚と元号の変わり目が一致し、お祝いムードが増した結果としての「駆け込み婚」。去りゆく平成を大事にしながら、新しい時代に期待する思いの表れなのかもしれません。

寺田 麻美
経済部記者
寺田 麻美
平成21年入局
高知局をへて財務省を取材
現在 流通・食品業界を担当