去年の出生率 愛媛県は1.31 統計を取り始めて以降最低に

1人の女性が産む子どもの数の指標となる去年の出生率は、愛媛県で1.31となり、統計を取り始めて以降最も低くなりました。

厚生労働省が公表した去年の「人口動態統計」の概数によりますと、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は、愛媛県で1.31でした。
前の年の確定値と比較すると0.08ポイント低下していて、1947年に統計を取り始めて以降、最も低くなりました。
前の年を下回るのは2年連続です。
都道府県別では最も低かったのは東京都で、愛媛県は岐阜県とならび22番目でした。
また、去年、結婚した男女の数も公表され、前の年より320組減り4157組となり、初めて結婚した人の年齢は男性が30.2歳、女性が29.2歳でした。
一方、去年、県内で生まれた子どもの数は6950人だったのに対し、死亡した人の数は2万258人で、死亡数から出生数を差し引いた数は1万3308人でした。
子どもの数は前の年より622人減っていて、人口減少が続く要因となっています。
県の子育て支援課は「県内では出生数が急激に減り始めていて、いま対策を取らないと加速度的に人口減少が進んでいく。県だけでは限界があるので、ほかの自治体や企業などを巻き込んだ取り組みをしていきたい」と話しています。
【県民たちは】
県内の出生率が下がっていることについて、松山市ではさまざまな意見が聞かれました。
去年子どもを出産した40代の女性は「私は不妊治療をして子どもを産んだが、治療代が1シーズンで100万円ぐらいかかった。子どもがほしいけれどお金がないからと諦めてる友達も多い」と話していました。
2歳の子どもがいる30代の男性は「仕事と結婚を両立するのが難しいことが出生率の低下につながっていると思う。育休も、子どもが産まれるときに1週間程度取ったがそれ以降の妻の健康なども考えるともう少し、家族と一緒にいる時間があればいいと思う」と話していました。
3人の子どもを育てる30代の女性は、「保育園は保育料が無料となり小さい子に対する支援が増えてきたと感じる。小学生以上の支援がもっとあったらいいと思う」と話していました。
20代の男性は「いま僕は彼女がいるが、結婚して子供を作ろうと考えるとお金のことが心配だ。自分のことでカツカツなのに子供を作ってさらに大変な思いさせるというのは嫌だなと感じている」と話していました。