松山市で「古民家鑑定士」が建物の安全性診断の技術学ぶ

古い木造住宅を再生させるために専門的なアドバイスを行う「古民家鑑定士」を集めた講習会が松山市で開かれ、実際の古民家で建物の安全性を診断する技術を学びました。
松山市内の築65年の古民家に集まったのは、県内の「古民家鑑定士」8人です。
古民家鑑定士は築50年以上の日本の伝統的な木造住宅について建物の安全性を診断したり、改修に必要なアドバイスを行ったりするもので、30日の講習会は、その技術を向上させるため、県内で初めて開かれました。
参加した鑑定士は屋根や柱にひび割れがないか、建物が傾いてないかなど、およそ600あるポイントをひとつひとつ確かめていました。
また、振動を測定する専用の機械で耐震性を調べたり、床下にカメラ付きのロボットを走らせて安全性を確認したりしていました。
主催した団体によりますと、築50年以上の古民家は県内に、およそ9万6800軒あるということですが、管理が行き届かず空き家となっているものもあり、活用が課題となっています。
参加した建築士で古民家鑑定士の楠本侑子さん(34)は、「古民家の活用の相談も多く、知識を深めたい」と話していました。
全国古民家再生協会の河野公宏事務局長は、「鑑定士の人材育成を通し1棟でも多くの建物を将来に残したい」と話していました。