大洲市長浜町の放火殺人事件 遺族の手記全文掲載

大洲市長浜町の放火殺人事件 遺族の手記全文掲載

平成16年に今の大洲市長浜町で会社員の鎌田美千子さん(当時52)が殺害された放火殺人事件は未解決のまま4月13日で20年となります。
これを前に鎌田さんの長男の憲太郎さん(47)がNHKに寄せた手記の全文を掲載します。

「事件の数日前に実家で用事で寄った日が私の息子の誕生日だったので『今日は誕生日だね』そんな話をしたのが母との最後の会話になってしまいました。
2004年4月13日の深夜に姉からの電話で実家が火事になっていると連絡を受け、飛び起きて向かいました。実家に向かう道中はいったい何が起こったのか意味がわからず、とにかく早くという思いで車を走らせました。そして現場について燃えさかる実家を見た時には頭の中が真っ白になりました。消火活動中も母はきっと逃げ出してくれていると思い続けていました。しかし、その思いは虚しく母は2階の寝室で遺体となって見つかりました。
後日、焼け焦げた母に対面した時には、炎に包まれる中、苦しみながら必死に助けを求めていた母の姿を思い『助ける事ができなくて本当にごめん』と泣き崩れました。
事件の年に生まれた娘は、今年で二十歳になります。母が生きていれば、孫の成長をどんなに楽しみにしてくれていたでしょう。母には犯人を捕まえられず本当に申し訳ないと思い続けています。
犯人は今どこでどう暮らしているのでしょうか。なぜ家に侵入し灯油をまいて家を燃やしたのか。捜査の中で聞かせていただいた母と警察の通話での、煙に巻かれて苦しみ、怯えた声を今でも忘れる事ができません。家族思いで、優しくまじめな母の人生を奪い、私たち家族の人生を狂わせた犯人は絶対に許すことができません。一刻も早く捕まることを願っています。
今まで情報提供をして下さった方々、本当にありがとうございます。事件の解決には情報が頼りです。事件のことで知っていることや、思い出した事がありましたら、どんな些細なことでも構いませんので、警察に連絡をお願い致します。
事件発生以来20年、本当に一生懸命捜査に当たって頂いております警察の皆様方に、心より感謝申し上げます。手がかりの少ない中、大変でしょうが、一日も早い事件解決をお願い申し上げます」。

情報の提供は大洲警察署、電話番号は0893ー25ー1111です。
また県警察本部のホームページからもメールで受け付けています。