石鎚山 登山道の木が無断で伐採される

西日本最高峰で国定公園にも指定されている石鎚山で、無断で複数の木の枝が切られ、岩に塗料で矢印が描かれているのが見つかり、林野庁愛媛森林管理署の職員などが現地調査を行いました。警察などにも相談していて、今後の対応を協議することにしています。

4月2日から3日にかけて、石鎚山の山小屋のスタッフが山頂から東側の登山道に生えている樹木の枝が複数切られていたり、塗料で岩に登山ルートを示すように矢印が描かれていたりするのを見つけました。
このほか枝にオレンジ色のテープが巻きつけられている木もあり、スタッフが警察と関係機関に連絡し、10日、国有林や山を管理する愛媛森林管理署と県自然保護課の職員などが現地調査を行いました。
その結果、切られていたのは四国固有の樹木で県の準絶滅危惧種に指定されているシコクシラベのほか、シャクナゲやツツジなど50本ほどの枝で、被害はおよそ500メートルにわたっていたということです。
林野庁愛媛森林管理署の藤平康則署長は「貴重な原生林が残る地域で枝が切られたのは非常に残念です。今後さらに保全地域であることの周知に取り組もうと思います。利用者にも理解して頂いて登山を楽しんでほしいです」と話していました。
愛媛森林管理署は、木は登山者が道を歩きやすくするために切ったとみていて、森林法などに違反する可能性もあることから、警察や県などと相談して今後の対応を協議することにしています。