34年ぶりの円安水準 県内では懸念の声も

外国為替市場で円相場が一時、およそ34年ぶりの円安ドル高水準をつけました。円安が進むと海外から輸入する燃料価格の値上がりなどにつながることから県内では懸念の声も聞かれています。

外国為替市場では日本時間の11日、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場が一時、1ドル=153円台前半まで値下がりして、1990年以来、およそ34年ぶりの円安ドル高水準をつけました。
円安が進んだのは、投資家の間でアメリカですぐには利下げが行われないという見方が強まったためです。
金利は景気が過熱していて物価が上がっている時などに引き上げられ、景気が弱い時には経済を刺激するため引き下げられます。
インフレが続いていたアメリカでは金利が高い状況が続いていますが日本時間の10日夜発表されたアメリカの物価指数が予想以上に上昇したことで経済はそれほど弱くないなどとしてすぐには利下げが行われないという見方につながりました。
これに対して、日本では日銀が、17年ぶりの利上げとなるマイナス金利の解除に踏み切ったあとも、大規模な金融緩和を続ける姿勢を維持していることから、当面は低い金利が続くという見方が強まっています。
こうした状況を背景に金利が低い日本の円に比べて、金利が高いアメリカのドルを買った方が利益を稼ぎやすいという思惑からドルを買う動きが加速したのです。
円安が進むと海外から輸入する原材料や燃料価格の値上がりなどにつながることから県内の経済への影響も広がるとみられ懸念の声も聞かれています。