風賢央が幕下優勝

大相撲春場所の幕下は、押尾川部屋の風賢央が7戦全勝で優勝を果たしました。
春場所の幕下は押尾川部屋の風賢央がここまで6戦全勝で13日目の22日、1敗の阿武松部屋の阿武剋と対戦しました。風賢央は立ち合いで阿武剋に左を差されたものの、かまわずに前に出て、「寄り切り」で勝って7戦全勝で優勝を果たしました。風賢央は愛媛県西予市出身の24歳。
中央大の相撲部出身でおととしの春場所で初土俵を踏み、続く夏場所で序ノ口優勝を果たすと、力強い押し相撲を持ち味に順調に番付を上げました。去年の名古屋場所からは3場所連続で負け越して足踏みする時期もありましたが、今場所は西の幕下13枚目で迎え、前に出る相撲で白星を重ねていました。風賢央は「内容は全然だめだったが、勝ててよかった。がむしゃらにやるだけだった」と笑顔で話しました。また、今場所、幕内で単独トップを走る尊富士や大関・豊昇龍などは大学時代の同学年で、「みんな上に上がっているのに、自分はなにをやっているんだろうというもどかしさもあった」と複雑な心境も口にしました。幕下15枚目以内で7戦全勝した力士は、ほかの力士の成績などその場所の状況にもよりますが翌場所は十両に昇進する慣例があります。風賢央は「新十両はともかくとして、7番勝って優勝したことはなかったので意識した。早く上がってまた頑張りたい」と意気込んでいました。
風賢央の地元で伝統の相撲行事「乙亥大相撲」の会場にもなる乙亥会館には、母校の相撲部の監督や知人などおよそ50人が集まり、幕下優勝をかけた一番を見守りました会場には午後になると地元の人たちが続々と集まり、「頑張れ風賢央」と書かれた幕が飾りつけられたほか、風賢央が所属する押尾川部屋のタオルを持つ人たちの姿もありました。そして集まった人たちは、取り組みが始まると身を乗り出してテレビを見つめ、風賢央が寄り切りで勝って優勝を決めると、一斉に立ち上がって「よし、やった」と大きな声をあげ、盛大な拍手を送っていました。せいよ野村観光協会相撲部会の大野巌 部会長は「安心しました。いいあたりでいい相撲。非常にうれしい」と話していました。
風賢央が所属していた野村高校相撲部の鎌谷健太郎 監督は「よかったです。前に出るという風賢央の1番の長所が
勝ちにつながったと思います。本当にうれしい」と話していました。今場所の風賢央の相撲について、師匠の押尾川親方は「立ち合いで当たって、前に攻める自分の相撲を7日間取りきったと思う。気持ちも充実していた」と話し、評価していました。また、風賢央と同じ西予市野村町出身で、29年前に十両に昇進した元関脇・玉春日の片男波親方は「地元では関取を待ち望んでいたと思う。昇進すれば非常に盛り上がるだろう。野村は相撲の町でもあるし、ぜひもっと活躍を続けて地元の人たちを喜ばせてほしい」と話していました。###