農薬代わりに害虫食べる「天敵昆虫」 特産なすの収穫量が増加

中予地域の特産「なす」の生産量の向上につなげようと、害虫を食べる「天敵昆虫」のダニやカメムシの仲間を、農薬の代わりに使う栽培方法についての説明会が開かれ、収穫量が増加したことなどが報告されました。

中予地域は、「松山長なす」や「伊予なす」など、県内でも有数のなすの産地ですが、農薬に耐性がある害虫が発生していることなどで農家は生産量や品質の低下に悩まされています。
こうしたなか、県は農薬の代わりに害虫を食べる、「天敵昆虫」を活用する技術の確立を目指していて、12日、東温市で説明会が行われました。
説明会では県の担当者がスワルスキーカブリダニというダニの仲間や、タバコカスミカメというカメムシの仲間を、4軒の農家で使った成果を報告しました。
この中では東温市の農家では3年前から農薬をまく回数を減らしてダニの仲間を畑に放ったところ、去年は収穫量が1株あたり30キロと過去最高になったことが報告されました。
また、松山市の農家の1つでは農薬をまくのにかかっていた年間20万円ほどの費用が、天敵昆虫の導入でまく回数が減ったことで去年は10万円以下に減少したと説明されました。
県中予地方局農業振興課の日野恭子主幹は「3年間の実証研究で、栽培コストの削減などの成果が得られたのでほかの農家にも普及を進めていきたい」と話していました。