松山市 道後のカラクリ時計 音量巡る波紋

愛媛県を代表する観光地松山市道後にある坊っちゃんカラクリ時計の音が大きいと近くに住む人などから複数の訴えがあり管理する市が、2月、時計の音量を下げました。
これに対して地元の観光業者からは市からは事前に説明がなかったとした上で「バスや市電が通ると音が聞こえず観光客が楽しめない」などと不満の声があがっています。

松山市道後にある坊っちゃんカラクリ時計は道後温泉本館の建設100周年を記念して平成6年に松山市が設置したもので30分から1時間ごとに小説「坊っちゃん」の登場人物の人形が音楽とともに動きます。
松山市によりますとこのカラクリ時計についてこれまでに音が大きいと複数の訴えがあり1月には近くに住む人から「生活をしているなかで音が大きいのではないか」と電話で相談が寄せられ市は、2月6日に音量を10デシベルほど下げたということです。
時計の音量を変更したことについて松山市の観光・国際交流課の曽根崇文副主幹は「道後は観光地でありながら市民の町でもある。音量を小さくしたあとの反応もみていきながら今後の検討を進めたい」と説明しています。
一方で、地元の観光業者らは市から事前に説明がなかったなどとして音量を元に戻すよう要請しているということです。
道後で観光客を案内するボランティアは「バスや市電が通ると音が聞こえません。観光客がわくわくする気持ちが薄れ前のような感動がなくなりました」と話していました。
まちづくりに詳しい國學院大学の西村幸夫教授は「市は音量を変更する前に住民側と観光業者を集めて議論する場を設ける必要があった。互いが歩み寄って納得できるように働きかけることが重要だ」と話しています。