宇和高校野球部でいじめ被害訴え

西予市の県立宇和高校の野球部の元部員が複数の部員から下着を脱がされるなどのいじめを繰り返し受けて学校に被害を訴えたにも関わらず、十分な調査を行わなかったとして県や元部員らに対し、損害賠償を求めていることが分かりました。県や学校は「一切コメントできない」としています。

松山地方裁判所に訴えを起こしたのは、西予市の県立宇和高校の野球部に所属していた18歳の男子生徒です。訴えによりますと、男子生徒は、3年前の夏からおよそ1年間、野球部の複数の部員からボールを投げつけられたり、ほかの部員たちの前で下着を脱がされたりするいじめを繰り返し受けたということです。男子生徒は学校側に被害を訴えたにも関わらず、学校側は十分な調査を行わず、精神的苦痛を受けたとして県のほか、部員や元部員5人に対して損害賠償を求めています。男子生徒は、いじめの影響で自殺を図ったり不登校になったりしたということですが、学校側はいじめ防止対策推進法の「重大事態」にはあたらないと判断したということです。このほかにも男子生徒は、野球部の顧問から平手で殴られる体罰を受けたと訴えています。県や学校はいじめがあったかどうかなどについて、「訴訟に関することなので一切コメントできない」としています。原告の弁護士によりますと、21日に開かれた1回目の審理で、県や部員など5人は、男子生徒の訴えの棄却を求め、争う姿勢を示したということです。